BOSS LIFE — 倒産ギリギリ社長の経営奮闘記

翻訳した書籍が日本で刊行されたので、紹介したいと思います。一般流通はしていないので残念ですが。

これはアメリカの東海岸で注文家具工場を経営する社長の「経営」奮闘記。元々著者は、ニューヨーク・タイムズのブログに小企業の社長の苦労話を寄稿していたのですが、2015年に書籍化されました。2008年のリーマン・ショックを何とか乗り切ったものの、「もうダメだ、倒産する」と破産の準備を始めたときに、自分と同じような境遇の人の参考になれば、とその破産手続きの経緯をブログには記録していたようです。

この本では、リーマン・ショック後の、挽回の兆しが見えてきたと思えたはずの2012年の1年間を振り返っています。ビジネス・パートナーとの決裂や、キャッシュフローの重要さを痛い思いをして学んだ著者は、1月から12月まで、毎月の収支を赤裸々に公開し、経営者として日々苦戦を細かく綴ります。人材採用、アドワーズ広告、海外の企業にも振り回されて、まさに七転八倒です。

私生活でも、重度自閉症の息子、健常児で大学進学を目前に控えた息子を抱え、キリキリ舞いで、アメリカの医療保険制度や学資ローンにも苦い意見を持っています。

町工場の社長として、地元の経済の衰退・変遷や、構造的に生まれる格差を憂う一方で、従業員への人間的な対応、我が子の進路に関する悩みや成長の喜びを温かく綴っています。経営奮闘記のはずなのに、目頭が熱くなる…… ページもあります。

アメリカ企業の社長といえば、マーク・ザッカーバーグ、イーロン・マスク、スティーブ・ジョブズなど、大成功を収めた異端児的な人物ばかり思い浮かびますが、こんな中小企業の社長の苦戦を読んでみると、応援したくなります。

出版社はダイレクト出版というところです。

https://www.d-publishing.jp/

 

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