不毛地帯

毎日、世界のあちこちにあった帝国について調べています。翻訳作業のために下調べしているのに、今日もリヴィウ(ウクライナにある)っていいところだな、コロナが落ち着いたら行ってみたいな、と長い間(ネット上で)すてきな建造物を見る旅をしてしまい、気が付けば仕事がはかどっていませんでした。

私の頭の中は、帝国や帝国主義のことでいっぱいで、仕事していない時間には山崎豊子の『不毛地帯』を読んでいます。戦前の軍事教育を受けた優秀な軍人って、戦後どういうところで何をしていたのだろう? と気になっていましたが、それに答えてくれる内容です。何度もドラマ化されているので、ここであらすじを話すまでもないですが。

毎年、夏の今くらいの時期になると、第二次世界大戦中の日本を描いた映画が見たくなります。市川崑の『野火』を見ようと決めてはいるのですが、内容が内容だけに、ホットドッグなど肉を食べながら見るのも憚られ(人肉を食べる話が出てくる)、まだ見ていません。その代わり、ドナルド・リッチーがこの映画について話しているインタビューを見ました。「実際に戦争を体験した世代が生々しくそれを覚えている時代にこういう映画は作られるけれど、今の日本ではこういう映画は絶対に作ることができない」と言っていました。時代が流れているってことですね。『不毛地帯』もそんな小説。

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