Kingston

ここ3週間くらい、諸般の事情で気が狂いそうでした。ふとカレンダーを見ると9月。北国の風と日差しはすっかり秋です。今年の夏はどこにも行っていない! と思い立ち、1泊旅行を決行しました。

行先は、いつかは行ってみよう、でもわざわざそこだけに行きたくない、と思っていたキングストン。トロントから車で2時間半くらいです。実は、コロナで巣ごもり生活が強く奨励されていた時期から、車で1時間以内で行ける範囲をうろついており、キングストンは次の休暇先として射程距離に入っていたのです。

1990年代半ばから2010年あたりまでサンフランシスコベイエリアに住んでいた私は、不動産高騰により、普通の人々が普通に暮らしにくくなり、どんどんと郊外へ引っ越していく様子を目の当たりにしました。今のトロントにはデジャブを感じます。みなさん、どのあたりまで通勤圏を広げてらっしゃるのかしら? と関心をもっていたところへ、コロナで在宅勤務し放題になり、ますます私の郊外探検に拍車がかかります。

ここのところ、仕事で様々な国の「帝国」の歴史を調べている私にとって、キングストンは非常に興味深い場所でした。植民地時代のカナダにとり、その水路が戦略的に重要だったのです。いろんな要塞の説明書きを読みながら歩いていると、「アメリカのオレゴンのあたりで領土問題が発生し、アメリカとカナダ(とそれに関係した外国勢)が争い、キングストンは戦略的に重要な役割を果たした…」というようなことが書いてありました。東海岸にあるキングストンがなぜ? と思ってしまいますが、飛行機がなかった時代のこと…… 興味深い……

カナダは植民地だったわけですが、白人入植者がほとんどだったので、今もイギリスとのつながりを誇りに思う人々が多くいます(ケベック州は違うけれど、それとて植民地時代の名残であのようなフランス語圏がある)。

というわけで、キングストンに行く途中、「英米戦争」でイギリス帝国側について戦ったことを今でも自慢に思っている小さな町を偶然通過しました。不思議なのは、その町にはたくさんはためいているユニオンジャックが、アイルランドのバッテンが入っていない、古いユニオンジャックなのです。あえて、古いものを揃えているというのは何か理由があるってことですが、誰に聞くこともなく、通り過ぎました。

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New York City -2-

Lower East

ニューヨークで歩き回るのは想定内だったけど、足が不安。ちょうどリハビリが終わって、「何の不安もなく走ったり、飛んだり跳ねたりできるようになるまで、あなたの年齢だと1年はかかるわよ」と言われたのだった。そんなわけで、美術館は小さめ狙い。

ホイットニー美術館では「ビエンナーレ」がやっていた。友達と二人で「これが好きー、あれ面白いー、これ嫌いー」と感想を言い散らかしながら見るのが楽しかった。美術館を出てハイラインを歩いていると、そこここにアートがあって、美術館の延長みたいだったのも楽しかった。

次の日は一人でフリック美術館。25年ぐらい前、「超金持ちの家に招待されて、そこの家の美術品を見せてもらってるみたいなとこだよ」と人に教えてもらい、連れて行ってもらったきりだった。ミニチュアはないけど、ミニチュア好きに響きそうなものがたくさんある。25年前はそんなものに関心がなかったけど、自分の存在がもっとちっぽけだった。

実は近頃、ミニチュア時計に興味があって、古い時計がとても気になっていた。とてつもなく大きな家に住んだとしたら、絶対柱時計が欲しい、と思うぐらいに。古い時計は時間を大切にしてるような感じがして、好き。そしたらなんと、フリック美術館には時計がいくつも展示されていて、全部ステキだった。ぐるぐる回って、また時計だけをもう一度見て回った。

観光客が集まるところばかり見てるのも飽きてきて、バスでセカンドアベニューを南下し、ロウアーイーストに行ってみた。まったく雰囲気が違う。もうちょっと探検したいところだった。

ニューヨークで食べたもの

おいしそうなレストランに入って、ステーキを注文しようと思ったら、12oz。一人では絶対に食べきれない量だったので、「半分の 6oz って選択肢はないの?」と訊いてみるも、「ないです」とあっさり断られた。なのに、出てきたステーキは 6oz の2段重ね! でも、よく考えたら、あれを友達と半分こして食べればよかったのかな…… お味は最高。付け合せのフライドポテトも、バーガーキング並の形と味でこちらも最高(私は、太くカットされたフライドポテトは嫌い)。友達にも手伝ってもらったけど、食べきれなかった。

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New York City -1-

The Vessel

先週、ニューヨークに行ってきた。当初の目的はミュージカルの『ハミルトン』を見ることと、友達と落ち合って一緒に遊ぶことだった。

が、ニューヨークの空港全部が嵐のせいで全便欠航になり、私の飛行機はニューアーク空港上空を45分ほど旋回し、結局トロントに引き返した。アメリカ本土にはタッチダウンしていないけど、カナダは出国しているから関税申告書を書いて、入国審査をしてからカナダ再入国。既にエアカナダからメールが届いていて、次のフライトが用意されていたけど、翌日の夕方にしかニューヨークには着かない。『ハミルトン』はあきらめるしかないけど、友達と遊ぶ時間を削られてしまうのはダメだ! オタワで一泊し、オタワから早朝ニューヨークに着くフライトにしよう!

エアカナダのエリートメンバーでもないし、変更不可能のチケットを持っていたから、後回しされたのかも。フライト変更も、オタワのホテル予約も、スマホでポチポチやれたので非常に便利だったけど、不測の事態が苦手な人たちに途中頼られた。どうなることか先が見えない点において私たちは同じなのだけど、不安に駆られる度合いが全然違うらしく、他人からの後押しが必要みたい。

翌日はニューヨークは快晴。「午前10時にホテルで待ち合わせ!」の約束は果たせた。『ハミルトン』のチケット代は返金されないので、実に悔しいけど、ロングランなのでいつかどこかで見る日が来ると思う。サウンドトラックを聴いて舞台を想像する日がまたしばらく続くだけ。

まずホイットニー美術館に行って(久しぶりに行ったけど、ちょうどいい広さで楽しかった!)、再開発されたハイラインを歩き、The Vessel に到達。シカゴのビーンみたいに人がたわむれることができるモニュメントなのだけど、上に登れるようになっている(無料だけど、QRコードを読み取って、登る時間が指定される)。すぐには登れなかったので、登らなかった。ま、私は完全には健脚ではないので、見上げるだけで十分だったけど。

しかしニューヨークは蒸し暑かった。途中食べたかき氷がおいしかった。

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