SOAKED

トロントでも少しずつビジネスが再開しています。今のところレストランでの食事はパティオのみで許可されています。

遅い昼ごはんを食べようとパティオのあるレストランに行ったら、嵐のような突発的な雨に見舞われ、ずぶ濡れになりました。レストランはソーシャルディスタンスを守らないと営業停止させられるのかも(というか、守ってないと客が来ないだろうし)。レストラン側も「中に入って雨宿りしてってよ!」と言わず、客のほうも「中に入れろ」とごねる人も一人もおらず、客たちが風で吹き飛ばされそうなパラソルを手で押さえている光景に私は笑っていました。

私たちはパラソルの下にはいなかったのですが、突風に吹かれてパラソルから滴り落ちる雨粒の落下点にいたので、「どぼどぼどぼ」という感じで濡れてました。ウェイトレスが申し訳なさそうにタオルを持ってきてくれましたが、むしろこっちが、やっと店が営業再開して稼げるようになったウェイトレスが気の毒になりました。

「今日はくそ暑いから、 シャワーを浴びれて良かったよ」と思ってもないことをウェイトレスに口走ってしまいました。

今、私は仕事で「帝国」についていろいろと調べまくっています。なので、「ダウントンアビー」をもう一度見はじめ、山崎豊子の本(日本帝国の崩壊だね)も読みはじめ、「帝国一色」です。パティオでも、濡れながら帝国のことばかり話していました。

ジャスティン・ビーバーのいるところ

巣ごもり生活をしている間、週1のペースでトロント郊外の田舎をドライブしています。途中、郊外ならではの大型ドライブスルーのあるファストフード店でハンバーガーセットを買い、誰もいない駐車場に車を停めて車の中で食べ、美しい湖を見ては、トイレに行きたくなる前に帰ってくる…… そんなルーティーンです。規制が少しずつ解除されているので、最近は車を出て散歩したりなど、こちらの行動も変わってきましたが。

この間、ジャスティン・ビーバーが巣ごもりしていた本人所有の別荘がある湖に行きました。トロントからそう遠くはないところにあります。具体的にどこにあるかは検索すればすぐにわかるので興味のある人は探してみてね。

カナダ基準で言えば、その湖は大きくはない。この程度の湖だと湖畔の土地は個人所有がほとんどになるのかもしれません(湖が大きいと環境保護にもうるさいし、誰でもアクセスできるように公共ビーチや公園、遊歩道がある)。そんなわけで、この湖は私有地に囲まれ、なかなか水際に出られず、やっと見つけた岸辺から、湖と対岸の景色を堪能しました。こんもりとした森のなかに富裕層の別荘が見え隠れ。ジャスティン・ビーバーの豪邸は、私の位置からは豆粒にしか見えませんでした(写真に写っている)。しかも、水際に建っていないので、カヌーを漕いで近づくというオプションもありません。だからあの場所を選んだのでしょうか。「ああ、あれかぁ」と見つけただけで満足して帰ってきました。

Launch America

週末、NASAとSpaceXによる有人ロケットの打ち上げをテレビで見ていました。ケネディ宇宙センターの発射台に宇宙飛行士を運ぶテスラ。その走行姿を見ながら、イーロン・マスクってすごいなと思いました。

去年2019年はアポロ11号が月面着陸に成功した50周年でした。NASAのTシャツが流行ったし、発射から月面着陸までの様子を見せるドキュメンタリー映画が上映されたりもしていました。映画は私も見ましたが、1969年の映像をデジタル化し、現代の観客も楽しめるような作りになっています。あれに比べると、週末に見たクルードラゴン+ファルコン9の映像は、信じられないほど鮮明で美しかった。クルードラゴンがファルコン9から分離される瞬間、特に第二段階のセパレーションのとき、背後に見えた地球の姿には、心を鷲掴みにされました。

SpaceXのCEOイーロン・マスクは、自分の子どもに一般人には読めない不思議な名前を付けたり、ロサンゼルスにトンネルを掘ったり、なにかとエキセントリックな人です。それでも、ペイパルといい、テスラといい、この30年間を振り返って「世の中何が変わったか?」と聞かれたときに必ず名前が上がりそうな事業を立ち上げてきた先駆者でもあります。特にテスラは、ビッグ3を敵に回してアメリカで起業したのだから感心です。日本で、トヨタを脅かす自動車会社を作る人が現れたと想像してもらえれば、その肝っ玉の太さがわかります。別に私は彼のファンでもありませんが、あのような人がいないと、サイエンスに憧れる次世代も現れないだろうし、世の中も変わらないのではないかと思うのです。

私はPBSでロケット打ち上げの生中継を見ていました。SpaceXの社長グェイン・ショットウェルが、「私を信じて雇ってくれたイーロンに感謝します!」と嬉しそうにコメントしていました。こういう要職に女性を登用できる彼にまた感心してしまいました。

ちなみにPBSはアメリカの国営放送なので、様々なところに配慮があって、スタジオにいるNASAの解説者たちも女性や黒人でした(ケネディ宇宙センターからの実況中継には白人男性レポーターを配置)。さらに2020年らしく、プレキシガラスで区切られたなかで実況中継をしていました。

この週末、アメリカでは警察による黒人への暴力に反対する抗議運動が全米各地で起きていて、ロケット発射どころではない人たちも大勢いました。宇宙開発のような領域では多様化が確実に進んでいます(1969年のアポロのとき、ほぼ白人男性だけだったのに比べれば)。一方で、別のところでは全然そうではなく、テレビの前に座ってニュースを見ているだけで居心地の悪い違和感に苛まれました。

劇団ひとり

動画を作り出したのは、ユーチューバーになりたいなどと誓いを立てたからではない。仕事用のウェブサイトの維持に年間約100ドル払っているので、有効活用したいと思っていたのだ。そこへコロナ禍。外出しなくなったので時間ができたというわけ。

日本に一カ月いたときに、5歳の姪っ子と幼児向けのユーチューブ動画を散々見ていたおかげで、動画の作り方(編集ソフトの使い方とかじゃなくて、構成というのかな?)を門前の小僧的に学んでしまった。まあ、その頃からアイデアを練っていたのだけど。

そんなわけで、動画をひとりでせっせと作っている。脚本を書き、人間の言葉をオウム返しするぬいぐるみに演じさせ(私が演技している)、小道具を用意し(ミニチュアが役に立っている)、スマホで撮影し、パソコンで編集している。これを劇団「ひとり」と呼ぶことにする。

動画はせっかく作ったからあちこちで晒している(ウェブサイト、ユーチューブ、インスタ、ツイッター、フェイスブック、ノート)。実は、コンテンツマーケティングの本を最近翻訳し、必然的にアメリカのユーチューバー(子どもから大人まで)のチャンネルを翻訳中に見まくっていた。私も昨今の流行に乗っただけのことなのだ。動画のプロトタイプを作っている間に、友達に私のロゴを作ってもらった。ロゴのおかげですべての作業が一層楽しくなった。遊びは何でも派手にやらなきゃね。ロゴはいくつかパターンかある。わたしと言えば「おかっぱ」、そんな提案をしてくれるのも友達ならでは。

仕事用のウェブサイトでは、本当は英語書籍の紹介をするはずだった。でもそのようなことをやっている人は大勢いるので、その人々にお任せしたほうがよいと思う。もちろん私もときどきは紹介する。紹介はしたい。でも今は動画を作りたい。作った動画をエージェントさんに見せたら「面白い!」と言ってくれた。明らかに「本業にはまったく無関係だけど、新しい能力を身に着けるのはいいんじゃない?」的な意味でだったが。

で、私のユーチューブチャンネルはこちら↓↓↓ 

https://www.youtube.com/channel/UCBd4mjw_nis2I8ojIMhC3VA/

アムダールの法則

Amdahl’s Law

仕事で「アムダールの法則」を学んだ。と言っても、この法則に基づいて計算ができるようになったわけではない。理解するのにすごく時間がかかったので、書き残しておこう。またいつかどこかで役に立つ日が来るかもしれないから。

要はこんな感じ。

カレーを作るとき、まずは材料を切る。じゃがいも、人参、玉ねぎ、肉、などを切る。考えただけでも面倒くさいし、腱鞘炎になりそう。でも、この下ごしらえは、複数の人と分担すれば時間を短縮できる。1)じゃがいも、2)人参、3)玉ねぎ、4)肉、5)カレールー、で5人いれば、一人だと30分かかる作業が短縮できるのではないか。並列処理による高速化が図れそうだ。

「30分を5人で割るから、6分だろ?」

いやいや、6分ではない。包丁が2本しかなかったりすると、そう単純にはいかない。しかも、2本しかない包丁を奪い合い、喧嘩が始まると、余計な時間がかかる。5人でおしゃべりに花を咲かせて、手がおろそかになる可能性もある。ここはやはりプロジェクトマネージャーもいたほうがいいかもしれない。面倒くさい話になってきたが、それでも、一人で全部やるよりは、時間が短縮できて、疲れなさそうだ。

材料を切り終わったら、今度は、その材料を鍋に入れてぐつぐつ煮る。ところがこの煮作業は、並列処理ができない。5人で1つの鍋を一緒に煮ても時間は短縮できないどころか、バカバカしい。1人いれば十分だ。レシピに「30分コトコト煮る」と書いてあれば30分ばっちりかかる。この作業では、並列処理による高速化はできない。圧力鍋を買えば高速化はできるが、ここではあくまでも「並列処理」の話。

で、結局、カレーを作る作業は、並列処理で一体どれくらい高速化できるのか? その計算をするときに、「アムダールの法則」を使う。

ここまでわかりましたか?

このカレーの例を夫婦の家事分担に置き換えてみよう。たとえば、夫が「俺さ、今日カレー作ってやるからさ、材料切っておいてよ!」と妻に連絡してきたとしよう。

妻はそのメッセージを見て、ブチ切れる。理由はおわかりですね? 夫が「アムダールの法則」をまったく考えていないからです。

あるいは洗濯。夫が「俺さ、今日洗濯してやったんだぜ」と洗濯機の「洗う」ボタンを押したことを自慢している。しかし賢明な妻は知っている。洗濯物を干す、畳む作業は、並列処理による高速化が可能な作業であることを。なのに夫はそこまで頭が回らず、妻の不気味な沈黙を勘違いし、「もっと感謝してほしいなぁ。冷たいなぁ」とのたまう。

賢明な妻は、「そうね、ありがとう。助かった」とまず言ってから、夫にこう言うのです。

「ねぇ、アムダールの法則って知ってる? 明日からはこの法則に基づいて家事を分担しましょう」

でもアムダールの法則のウィキページに行っても、書いてあることが難しすぎる。そこでいいですか? このブログを夫に見せてあげてくださいね。