もしかしたら行けるかも?

アメリカとカナダの国境の陸路の行き来が緩和されるというニュースが届き、ほう? もしかして1月にはもっといろんなことが緩和されて、ワクチン接種証明だけでニューヨークに行けるんじゃ? と希望の光が見えてきました。

が、アメリカではアストラゼネカとmRNAの混合接種は認めていないので、この組み合わせの人のワクチン証明をアメリカが認めないことにはどーのこーの、という記事も読みました。ちくしょー! ドキドキするじゃないか!

というわけで、先日、ニューヨーク行きをあきらめたと言いましたが撤回します。希望をもって、ホテルもキャンセルしないで様子見します。待ってろよ、ヒュー・ジャックマン! いや、ミュージカルよりも友だちとの再会のほうが楽しみになっている今日この頃です。

The Handmaid’s Tale

週末にクラブハウスで、ドラマ版の『The Handmaid’s Tale』について語り合いました。とても楽しかった。この日のために、夜な夜なまとめ観をしていましたが、残すところあと3話で、話し合いに突入しました。内容が重く、咀嚼しなければならないセリフや情報も多いので、一気に観るのはきつかったです。

シーズン1と2はすばらしいのですが、シーズン3にもなると、あっちこっちでサバイバルゲームのようになり、ご都合主義な感じも出てくるのですが、それはそれ。

あと、カナダがやたらとよい国のように描かれているのですが、最後のほうで、カナダにもギリアデ支持勢力がいることが描かれていて、やや安心。そして、彼らがプラカードをもって、フォーターフォード夫妻を支援したり、贈り物をしたりして、一種の「ファンダム」を築いていることをほほえましくすら思ってしまいました。私は反ギリアデですけどね。

余談ですが、このドラマを見まくっているあいだ、秋篠宮家の家族写真をネットで目にしました。なんと、女性陣がみな青いスーツを着ていて、「ギリアデ?」と思ってしまいました。宮内庁の人は『侍女の物語』を踏まえて、あのカラーコーディネートをしたのでしょうか……(?)日本だと、そこまで『The Handmaid’s Tale』が認知されていないんですかね。

次は何見ようかなと、「見たいドラマ&映画マイリスト」を見たら、リストがめちゃくちゃ長くなっていて呆然。とりあえず、Netflixの『アンという名の少女』を見てます。1985年版のドラマが好きだったのですが、やっぱり、同じ原作でも、映像や切り口が進化していますな!!

↓これ、1985年版

Guild Park

トロントの東に「ギルドパーク」という、取り壊された古い建物のかけらを集めた公園があります。トロントは、ヨーロッパの街に比べれば、(ヨーロッパ的な)歴史は浅いし、割とあっさりと古い建物を壊してしまうことも多い…… この街に引越したばかりの頃は、古いものを残したいと考える建築家や写真家が案内する散歩ツアーに参加したり、彼らのブログをよく読んでいました。

いやぁ、この公園はなかなかよかった。いちおう、歴史的な建造物を残しておこうという気があるから、こういう公園が成立しているのだと思いますが、ゴロゴロと置いてあるだけで、低い「かけら」ならベンチがわりに座ってもよい、というおおらかさ。

「そうね、これは残したくなるよね」というものもあれば、「これ?」と思うものも並べてあります。

これは Bank of Toronto という昔あった銀行の建物の外壁。左が先住民、右がブリタニア。真ん中は、てっぺんにビーバー、左上がイギリスを象徴するライオン、右上にまたビーバー、左下は麦穂、右下が貿易船。穀物を自由貿易して、イギリスからの経済的独立を目指しますよ、という決意のあらわれ?? ちなみに、Bank of Toronto は合併により、今は TD になっています。

こちらは、インスリンを発見して、ノーベル生理学・医学賞をとったバンティング博士の自宅にあったマントルピース。マントルピースだけなの!? という不思議な光景。

もっと大きな、ギリシャ神殿をまねたようなものもあるのですが、そこはウェディングの撮影に使われていたので、近寄れませんでした。雪が積もった日にまた行きたい。

カナダ総督―時代に合わせて多様性を配慮

「カナダを伝える会」の note からの再録です。

カナダにはイギリス国王の代理を務める「カナダ総督」が今も存在します。「え?」っと驚かれる人もいるかもしれませんが、ま、それはさておき、2021年7月、第30代のカナダ総督が任命されました。新総督のメアリー・サイモンは、カナダ先住民イヌイットで、イヌイット語も話します。初の先住民出身のカナダ総督の誕生です。任命式では、英語とフランス語だけでなく、イヌイット語でも挨拶していました。歴代総督に比べると、フランス語が弱いので、「これからもっとフランス語能力を磨く」ことを公約しています。ちゃんとこう言っておかないと、カナダのフランス系勢力が許さないのでしょう。

カナダ総督は歴代白人男性だったのですが、1984年に初の女性総督ジャンヌ・ソーヴ(23代目)が任命されたのをきっかけに、性別や人種などの多様性が配慮されるようになりました。26代目(1999年)は香港系のエイドリアン・クラークソン、27代目(2005年)はハイチ系のミカエル・ジャン、29代目(2017年)は宇宙飛行士のジュリー・ペイエット、と女性が多くなっています。英語とフランス語が話せるのは当然で、みなさん他にも数カ国が話せる大変に優秀な人たちです。

ジャンヌ・ソーヴの時代は、イギリスのサッチャー政権時代と重なりますし、エイドリアン・クラークソンの時代は、香港が中国に返還され、カナダに多くの香港人が移住してきた時期と重なります。ミカエル・ジャンは初の黒人総督で、ハイチからの難民でした。ジュリー・ペイエットは宇宙流行りのなか、科学分野で活躍する女性の象徴的存在として選ばれたような気がします。それぞれの時代で、総督選びに「多様性」を配慮しているのがわかります。ミカエル・ジャンが総督だったとき、先住民イヌイット族の地、ヌナブト準州を訪問し、先住民が食べるアザラシの心臓(生)がふるまわれ、彼女がそれを口にしたことで、EUから大変なバッシングを受けたのが2009年。あれから、12年の歳月を経て、イヌイット族の人が総督になったのです。

ちなみに、カナダ総督の任期は5年。イギリス国王の代理なので、カナダ国内では「総督はいるか/いらないか」議論が時々起こります。カナダでは、カナダ国籍を取得するとき、イギリス国王に忠誠を誓うのですが、イギリスの旧植民地から移住してきた人々は、このことに驚き、失望する人も少なからずいるそうです。カナダの先住民たちも、「イギリス国王に忠誠を誓う宣誓式」には反対しています。

イギリス王室が代替わりすれば、「総督はいるか/いらないか」議論は再燃し、真剣に見直されることでしょう。現在の「カナダ総督」だけでなく、植民地時代のカナダには、フランス総督もいましたし、総督がいなかった時期というのは17世紀にまで遡らないといけません。カナダが国として、どのようなアイデンティティを築いていくのか、気になるところです。

追記:この記事のトップにある写真は、「The Death of General Wolfe」という絵です。ジェームズ・ウルフというイギリスの軍人が死ぬところを描いています。この絵の中に、先住民の男性が一人いますね? 彼以外の人の名前はわかっているのですが、この先住民の彼だけ誰かわからない。この先住民族はフランス軍か、イギリス軍に加担して戦っていたのですね。モントリオールの旧市街にあるバンク・オブ・モントリオールの古い建物の上のほうにも、この彼っぽい人がいます。

Heat Wave

6月末に、アメリカやカナダの西海岸沿いを熱波が襲い(サンフランシスコ市は相変わらず寒かったらしいが)、カナダのブリティッシュコロンビア州のある町では50度近くまで気温が上昇しました。私の住んでいるトロントは東部にあるので熱波は押し寄せてこず、西海岸の人々を気の毒に思いながらニュースを見ていました。

その後、ニューヨークタイムズのポッドキャスト「The Daily」で、熱波に襲われたオレゴン州ポートランドのあちこちで気温を図った研究者の話を聞きました。

それによると、熱波が襲った3日間、大きな木が生い茂り、道に木陰ができるようになっている富裕層の住んでいる地区の平均気温は、36℃から37℃(それでも暑い!)だったのに対し、木陰を作るような木がなく、雑草とコンクリートむきだしの土地が多いせいで、太陽の照り返しが強い貧困地区の気温は49℃だったそうです。同じ市内でも、約12℃の差! なんとなくそうかな、とは思っていましたが、こんなに違うとは驚きです。木陰の威力ってすごい。そんなのんきなこと言っている場合じゃなくて、当然熱波で亡くなった人は貧困地区に多かったのです。

コロナ禍で散歩が日課になった私は、富裕地区にわざわざ足を運んで散歩しています。緑がたっぷりできれいだからです。超富裕層地域だと道沿いに大木が茂っていて、前庭も広々としているので、ひんやりとしています。が、「最近富裕になってきた地域」だと、前庭部分が車を停めるためにコンクリートやレンガを敷き詰めてあるだけの家がそこそこあり、芝生や木を植えて前庭を作ってある家と入り混じっています。晴れているけれど湿気の多い日など、コンクリートの前庭の家の前を歩くと、モワァ~~~っと生暖かい空気が襲って来ます。なので、「The Daily」を聞いたとき、「やっぱり……」と思ったのでした。