第二回翻訳者のための書評講座、終了

4月16日、今回も豊崎由美さんを講師にお迎えし、書評講座を開きました。1回目は6時間かかったので、時短を目指して工夫したにもかかわらず、講座と懇親会で、アツい5時間半を過ごしました。講座自体は3時間で終わったのですが。

課題書は次の2冊でした:

ルシア・ベルリン、岸本佐知子訳、「掃除婦のための手引き書」(講談社

マギー・オファーレル、小竹由美子訳、「ハムネット」(新潮社)

「書評を書く上で、この2冊には共通点があるけど、わかる人?」という質問に、早速たじたじ。でもそこから、前回同様、合評が活発に行われました。課題をこなしている間は、大変!と思うことも多いのですが、実りも多い。「講義だけでは、身につかない……」と感じている人にはお勧めです。第3回もやる予定です。

前回同様、note に講評後に書き直した書評を徐々に載せていきます(強制ではないので、書きたい人だけですが)。

「翻訳者のための」と謳っているのですが、ライター業などの兼業の人も多く、その辺の比重は問いません。翻訳歴も分野も問いません。目標は海外文学の書評を書くことなのですから。

個人的には、第1回目で知り合った人たちの普段の文筆活動に触れ、読書がより楽しくなったことがうれしいです。私は英日翻訳者なので、英語以外の訳者さんたち、あるいは、ライター業に重心を置いている人たちと出会えたことが宝。2回目の人は、自分に目標を課し、挑戦して書評を書いた人が多かったので、そのチャレンジ精神にも脱帽しました。なんかやる気が湧いてくるんですよね、この講座を受けたあとって。

今まで、「翻訳者向け書評講座」と言っていましたが、なんか響きがいまいちと後悔していたので、「翻訳者のための書評講座」と呼ぶことにします。ツイッターのハッシュタグも変えていこうかな。

翻訳者向け書評講座(第二回目)のご案内

2回目も豊崎由美さんを講師にお迎えして開催します。

日時:4月16日(土)日本時間13:00開始

場所:Zoom(録画します)

所要時間:2時間(前回はかなり時間オーバーしましたが)

受講費:1500円

人数:30名まで(うち先着12名の書評または訳者解説を講評&合評。残りの18名は採点と合評からの参加)

一般告知前に、先着12名の枠は埋まりました。採点と合評から参加する約15名を募集しています(この方々はもちろん書評を書いていただいてもかまいませんが、講評と合評はされません。グループのnoteでの発表はできます!)

課題書:

ルシア・ベルリン、岸本佐知子訳、「掃除婦のための手引き書」(講談社

マギー・オファーレル、小竹由美子訳、「ハムネット」(新潮社)

以上2作のうちどれを選んでいただいても結構です。2作ともの書評を書いていただいてもかまいません。

「書評」を書く方は800〜1600字。「訳者解説」のつもりで書いた方は1600〜3200字。自分がどちらにしたか明記してください。また、「書評」を選択した人はどういう媒体に載せるつもりで書いたか、最後に(想定媒体=○○××)と付記してください。字数は厳守です(タイトルは字数に数えない)。

流れ:作品を読んで書評提出 → 採点 → 講評 → 合評

提出方法:ワードファイルで作成(縦横お好きなように、フォントやサイズは適当で)。無記名でお願いします。
提出日:3月28日(月)(海外在住者は、ご自分のタイムゾーンの3月28日で)。knsbookclub@gmail.com、新田享子宛に送ってください。
提出作品をこちらでまとめます。4月9日(土)までに12点の書評(または訳者解説)の採点をお願いします。申し込みをしていただいたときに、この「採点」の説明をします。

また、いったんお支払いいただいた受講料は、受講者の都合でキャンセルした場合、お戻しすることができません。講座は録画しますので、その録画をご覧いただくことになります。

余談:第1回目の後、受講者の間で大変に盛り上がり、講座のあとで書き直したものを発表する場を note に作りました。その中のおひとりに上の仮ロゴを作ってもらいました。なぜ、鍋なのか?

海外文学と一口にいっても、いろいろな国の文学作品がありますし、内容もとても多様です。講師の豊崎さんに「いろんな視点があっていいんですよ」と教わったのもあって、note のグループ名には、鍋系の名前がたくさん候補にあがりました。書評鍋、海外文学鍋などなど。投票の結果、BOOKPOT (ブックポット)に決まりました。

というわけで、豊崎さんの講評のあと、互いのアプローチの違いを尊重しつつ、活発な合評が繰り広げられますので、みなさんお楽しみに!

翻訳者向け書評講座、第1回終了

翻訳者向け書評講座、第一回目が盛況のうちに終わりました。講座とアフタートークで6時間越えという、熱気むんむんな一日でした。参加者は約20人。

講師の豊崎由美さんからは、1)『クィーンズ・ギャンビット』、2)『エルサレム』、3)『キャビネット』の3冊を課題書に選んでもらっていました。3冊とも実に興味深い小説で、幾通りにも読みができてしまう。講座が始まる前から、一部の受講者たちが『エルサレム』についてツイッターでつぶやいていると、訳者の木下真穂さんが「受講者たちの書評読みたい!」とツイートしてくれて、ちょっと盛り上がりました。ちなみに、『エルサレム』は書評者泣かせだと思います。

当日は、海外文学の日本市場のことや、書評とは何か、何を書くべきなのか、海外の書評と日本の書評の違いなど、内容の濃い話がバンバンと出てきました。文学や文章を書くことについて、深い話がしたかったわたしたちは、大いに盛り上がりました。

豊崎さんから厳しいフィードバックをもらうこともあれば、「磨けば光るのではないか?」の個性も指摘してもらったりしました。合評のときは、文学好きの受講者のみなさんから、するどい意見や質問をもらって、深い読みの読書会のようでもありました。

これだけ人数がいれば、総じて全員がよいと評価する書評が当然あるのですが、一方で、同じ書評でも意見がきっぱり分かれるものが出てきます。「これってどうなんだろう」と疑問に思わせるところがあるのに、実は誰にもまねできない「切り口」みたいなものがあって、それが合評の時に浮かび上がってきます。

20人も集まれば、意見が衝突したり、批判をうまく受け止められない場合も出てくるのではないかと心配したこともあったのですが、そんなことは一切なく、とても建設的で、何より楽しかったです。 

「二回目どうする?」という話になり、「やりたい」という意見が多勢を占めたので、第二回を検討しています。

自分で言うのもなんですが、あんなに濃い学びの場を体験できるのは稀だったと思います。講師と受講者の間の垣根が非常に低く、自由に質問し、話し合えたのが、すごくうれしかったです。

今回も、私の書評は中の下で冴えず、「冒頭で言い出したことを最後に回収していない」と指摘されました。心当たりのあるお言葉だったので、ぎくりとしました。書き直してみよう。どうやって回収しようかな……

ちなみに「どうして書評?」とよく訊かれます。翻訳者なので、訳書を読みたいと思ってくれる人が増えたほうがありがたい、ってことでしょうか。でも、それより、なんか楽しいんですよね。あの講座を受けた人にしかわからないとは思うんですが。一種の句会? 17文字じゃなくて、800文字ですけど。

書評に興味のある方、第1回目を受講できなかったけれど、2回目を切望している方は、こちらをまずは読まれたし!

翻訳者向け書評講座のご案内

豊崎由美さんによる翻訳者向け書評講座を企画しましたので、ご案内いたします。

日時:12月5日(日)日本時間で13時開始(Zoomでの開催)
所要時間:約3時間から4時間
費用:1500円
参加希望の方は、knsbookclub@gmail.com (新田享子)宛にメールを送って下さい。お支払方法は銀行振り込みになります(海外の方ならPayPalも可能)。人数は10人を予定しています。人数は最低10人揃えば、活発に合評できるので、その辺りの人数を目指していますが、今のところ特に制限は設けておりません。

課題書:
エルサレム(ゴンサロ・M・タヴァレス 河出書房新社)
クイーンズ・ギャンビット(W・テヴィス 新潮文庫)
キャビネット(キム・オンス 論創社)

以上3作のうちどれを選んでいただいてもいいです。複数作書いていただいてもかまいません。

「書評」のつもりで書いている方は800〜1600字。これを訳したとして、「訳者解説」のつもりで書いた方は1600〜3200字。自分がどちらにしたか明記してください。また、「書評」を選択した人はどういう媒体に載せるつもりで書いたか、最後に(想定媒体=○○××)と付記してください。

提出方法:ワードファイルで作成(縦書き)、フォントやサイズは適当で。無記名でお願いします。
提出日:11月24日(水)いっぱい。knsbookclub@gmail.com、新田享子宛に送ってください。
その後、11月29日(月)までに参加者全員分の「採点」をしてもらいます。申し込みをしていただいたときに、この「採点」の説明をします。

翻訳の実績レベルは問いません。みなさん、ふるってご参加ください。