6月は飛ばし、7月の読書会の課題書は、パク・ミンギュの『カステラ』でした。
第1回日本翻訳大賞で大賞をとった作品なので、読んでみよう!ということになったのですが、出版から随分時間が経っていても、小説は褪せることなく、いや、むしろ身近に感じながら、読むことができました。
以前なら、「韓国って資本主義の圧力がこんなにも強いの?」と驚いていたかもしれませんが、韓国の映画やドラマを見ているうちに驚かなくなっている自分がいます。外国人労働者のことも、この小説に出てきましたしね。カナダの住みづらさも韓国とそれほど変わらないんじゃないかと最近は思えてきました。カナダは去年100万人も人口が増えたので、何かと競争が激しくなってきています(あくまでトロントの話ですが)。家からほとんど出ない私が感じるくらいなので、相当なんじゃないかと。『カステラ』を読みながら、ふむふむとうなづき、ギリギリの土壇場で絶望が回避されているところに少し安心できたのがGOODでした。
知り合いの韓国語翻訳者さんから、この日本語版の表紙についての逸話が書かれた記事を教えてもらったのもうれしく、読書会でひけらかしましたよ。
