Y日記10

週末、人生の大先輩である方の誕生日会に行った。101歳。相変わらずお元気そうで、おしゃれで、誕生日の挨拶も本当に立派だった。私は一緒の部屋にいられるだけでうれしかった。この日も、先に亡くなられたご主人に、「来世も一緒になろうって言われたんですけれどもね、こちらとしては、『まあ、ちょっと考えさせていただきます』としか言えませんでしたよ」と人を笑わせていた。これはネタなのか、本当にそう言ったかどうかは本人にしかわからないことだけど、一生懸命尽くしたんだから、来世は勘弁して!ってのも本心だと思う。さすが、大先輩! どこまでもついていきたい。

このお誕生日会には、以前にもお会いして話を伺ったことのある老夫婦が来ていて、ふたりで保育園をやっていたことも聞いて知っていた。この日は、それについて前よりも詳しく話していらして、ふたりは大阪水上隣保館という児童養護施設で、中村遥という創設者の指導のもと、経験を積んだのだと話していた。水上隣保館も中村遥さんというお名前も初めて聞いたので、ぼうっとしながら聞いていたら、他の人が「宮本輝の『泥の河』に出てくる、大阪の貧しい水上生活者の子どもたちを集めて、温かいご飯を食べさせたり、学校に行かせたりしていた施設だ」と教えてくれた。私はこういう話にめっぽう弱くて、関心がある。めりめりと膨らむ好奇心から、「あの〜、ポッドキャストでお話しいただけないでしょうか?」と声をかけたら、「いやです」と無碍に断られた。でも、もっと知りたいので、これから会うたびに話を聞き出したい。

以上の出来事は、大学つながりの集まりの話。以前の私はこういうところへ顔を出すのが苦手だった。酷い目に遭わされたこともあるし。でも今は平和なかんじ。いわゆる「ネットワーキング」的な集まりではなくて、私なんかよりも移民としてずーっと大先輩の人の話を聞くのが好き。参考になるかっていうと、ならないんだな、これが。人それぞれに事情が違いすぎて。

オースター絡みで、『SMOKE』を見た。思った以上にとてもよかった。他に見たことのない映画を見る気になれず、好きな映画を繰り返しみている1週間だった。

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