どうしても説明のつかないことってある。説明を求められても答えられない。そしてそれがいつまでも心に引っ掛かっている。子供の頃、自転車に乗っていたら、急に用水路に自転車ごと落ちたことがある。それ自体、「なんで?」と聞かれても説明はできなかった。私がまず落ちて、自転車が上に乗っかる格好になったので、一人では起き上がれず、一緒にいた友だちに引き上げてもらった。どろどろのまま、最寄りの友だちの家に連れていってもらい、友だちのお母さんにお風呂で洗ってもらった。まず、服を着たまま、シャワーで泥を流し、次に服を脱いで……と、順番に汚れを落としてもらったのだが、
「どうしてパンツを2枚も履いているの?」
と聞かれた。指摘されるまで自分でも気づかなかった。こっちが理由を知りたいくらいだった。大人になっていれば、「どうしてなんでしょうね?」とテヘペロできるけど、当時は幼すぎて、聞かれたことには絶対答えなければならないと思っていた。
「どうして私はパンツを2枚、重ねばきしてるんだろう?」
朝起きてからの自分の行動を思い出そうとしても思い出せなくて、涙が出そうになった。この頃の私の口癖は「わから〜ん」だった。本当にいつも大体いろんなことがわからなかった。しばらくの間、私は用水路に自転車ごと落ちた女としてバカにされ、落ちた場所も「現場」と呼ばれていたが、パンツ2枚履きの事実は知れ渡らなかった。
大人になった今は、ゲラチェックのときなどに、「どうしてこんな訳仕方をしたんだろう」と自分の訳を説明できないことがある。間違ってはないけど、どうしてそんなまわりくどい言い方するの? みたいな。パンツと一緒。一枚履けば十分なのに。
この1週間のできごと:
トロントにいながら、日本から空輸された「やがら」を食べた。あっさりしておいしかった。英語だと、Trumpetfish と言う。全体的に普段食べない高級な日本食だったので、おつゆも飲み干して食べた。
今シーズン初のピックルボールをした。プレイしてる間に、ラケットのラバーがもげた。冬の間にラバーが劣化していたらしい。仕方なく安いラケット買った。
あるところからカール・ラガーフェルドに俄然興味がわき、『The Mysterious Lagerfeld』を見てから、『Becoming Karl Lagerfeld』を見ている。『The Mysteriou…』は遺産相続が軸になっているせいでいまいちなドキュメンタリーだったけど、『Becoming…』は、あの髪型になる前のラガーフェルドの話。イブ・サンローランとの関係が破綻したあとから始まっていて、類稀なる才能の持ち主で24時間仕事ばかりしている男2人と、それを支える男2人のごたごたがとても面白い。出ている人たちは大真面目なのに、全体的にみんなの髪型がズラっぽくて、笑いながら見ている。
今まで内輪でやっていた読書会を Bookpotters でやればいいんだ!と思いついた。だからどうした?みたいな話だが。
WordPressにAIアシスタント機能がついているので、今週の日記をAIに校正してもらったけど、とてもつまらない女の書いた日記みたいな修正案を出してきたから、却下してやった。
