Y日記16

あくまでもトロントの話だけど、UberとLyftの両方に登録しているライドシェアの運転手から面白い話を聞いた。Uberの利用者が圧倒的に多く、客を下ろしたら、すぐに次の客を乗せるほどひっきりなしなのに対し、Lyftで車を呼ぶ人は少なく、数分に1回くらいだと言う。Uberのほうが大きい会社なのだから、まあ、致し方ない。しかも、運転手的には1マイルあたり、Uberのほうが10セント多く稼げるのだそうだ。私は、Lyftが存続する限り、永遠に利用すると誓った客なので、社交辞令的に「申し訳ないです〜」と声をかけてみた。すると、

「なんでなの?」

と聞かれたので、事情を説明。私は過去にアメリカでUS$300の現金入りバッグを車内に置き忘れたことがある。でも、Lyftの運転手さんにちゃんとそのバッグをホテルに届けてもらった。以来、Lyft派になったのだった。アメリカで$300の現金が戻ってくるってミラクルじゃないですか? 運転手以外にも、アメリカ在住の友人各方面に迷惑かけたけどね。

「ええ話や」

トロントの運転手はつぶやくと同時に、「本当に忘れ物する人が多い。特にスマホ!」と憤りと諦めが混ざったため息をついていた。

先週までの切羽詰まった感じが嘘みたいに今週は小休止だった。だから、寝溜めし、ややこしめのメールを書き、いつもよりピックルボールを長めにプレイし、部屋を片付け、旅行の細かい計画を立てたりしていた。スイス鉄道の料金設定がのみこめず、なぜ部分的にしか座席指定できないのかもわからず、スイス鉄道に電話した。たまたまなのかもしれないけど、控えめに言っても、そのカスタマーサービスのお姉さんは優秀かつ親切だった。

ゼンデイヤの『Challengers』をやっと見た。内容が新鮮で、意外で、しめっぽくなくて面白かった。最後のシーンのコートでの戦いが、『エースをねらえ!』みたいで面白かった。最後のとこだけ、もう一回見た。

先週末は書評講座を開催した。あちこちのSNSで感想書いたけど、ポール・オースターの追悼会という特別企画だったので、いつもとは違う新鮮さがあって楽しく、こういう特別回を時々入れようと思った。私の書評は今回も最下位争いをしていたが、それにももう慣れてきて、逆に話題提供をしているのだ!と自負が芽生えてきた。

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