Y日記43

トランプの相互関税のせいで中国との経済戦争が激化するなか、太ったアメリカ人がいろいろな製造工場でものを作っている動画がSNSで回ってきた。中国の労働者に比べると、妙にのっそりと作業しているし、あれは中国が流しているプロパガンダだと人から聞いた。

それを見て感慨深かった。世の中の流れが変わったと思った。これまでは、ステレオタイプ的なアジア人労働者がからかわれることが多かったように思うけど、堂々とアメリカのプラットフォームで、ある種のアメリカ人をバカにした動画が出回るようになったのだね、と。昔から『ボラット』のような映画ではバカにされイジられていた種類のアメリカ人、世界一お金持ちの国アメリカにいる貧困層が、正面切ってバカにされている。

とはいえ、アメリカに手工業的な工場はあんまりない。そういう工場が戻ってきたとしても、ロボットにやらせるかもね。昔、内視鏡を作っているアメリカの工場に通訳で入らせてもらったことがあるけど、そこにはいわゆる白人はいなくて、ぱっと見た感じ、みんなフィリピン系の人たちだった。自動車工場で見かけた人たちも、プロパガンダの動画で描かれているのとは違って、のそのそなんてしていなかった。

世の中が逆転しはじめたのだから、今後、中国やイランが「アメリカが自国民の人権を守らなければアメリカとは取引しない」なんて言い出す日も来るかもしれない。

カナダでは、1970年代に「キャプテン・カヌック」というコミックキャラクターが生まれ、昨今のアメリカとの関係悪化から、このキャプテン・カヌックの人気が再燃しているらしい。でも、見た目が限りなくアメリカのスーパーマンを踏襲しているところに、カナダのアメリカ依存ぶりを感じた。1970年代に登場したのだから、ベトナム戦争に反対して生まれたキャラなのかも。でも、私がスーパーヒーローキャラを今作るとしたら、普段は野生動物なんだけど、メイプルシロップを舐めるとスーパーヒーローに変身する設定にすると思う。

https://www.cbc.ca/player/play/video/9.6686971

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