Barbie + Oppenheimer completed

映画とポッドキャスト

夏の間なかなか映画館には行けず、ようやく『バービー』と『オッペンハイマー』をコンプリートし、夏が終わりました。私はどちらも非常に気に入りました。

『バービー』については、もっちりんださんをゲストにお迎えして、ポッドキャストで散々話しまして、只今鋭意編集中です。ポッドキャストはシーズン3を始める予定ですが、一気にいろいろ収録して、他にもアイデアが湧き、映画祭も始まりそう、ってことで、なかなかシーズンが始められない状態です。趣味でしかないのに、いえ、趣味だからこそ、あれもこれもと欲張るわけですね。これが、会社の仕事だったりすると、「こんなに詰め込むなんて、勘弁してくれ!」と怒る局面でしょう。

『オッペンハイマー』はですね、やはり日本で夏に公開するのは難しいと思いました。実は戦争を体験した人から話を聞く準備のため、いろいろな人の戦争手記を読んでいた最中だったので、私もキツい内容だなと思いました。と同時に、どこの国にも「ホットボタン」があって、それを押すと国内で大炎上するものがあり、日本はやはり太平洋戦争と被爆がそれにあたるのかなと思いました。アメリカなら「社会主義・共産思想」ですね。で、『オッペンハイマー』はその両方が入っているのが面白い点のひとつなのかも?と。

もうすぐトロント国際映画祭が始まるのですが、筆頭スポンサーだった企業が来年からはスポンサーを降りるとか(カナダは不景気に徐々に入っていて、メディア業界でレイオフが炸裂している)、ハリウッドで今もストが続いているので、セレブが来ないんじゃないかとか、盛り上がらない話ばかりを耳にします。ま、私は映画祭に足を運ぶ時間が捻出できないんでは?と思っているので、どっちでもいいです。それに、なんとなくですが、映画祭で世界プレミアする作品も、早く投資を回収するために、すぐに映画館で一般公開しそうな気がします。

最近のつらつら

最近、旧Twitterを離れるために、ブルースカイ、スレッズ、ニュースレターを試しています。ニュースレターはブログ黎明期のような雰囲気が漂っていて結構好きです。スレッズは、別に使わなくてもいいかなと思ったんですが、私はそもそも写真投稿より、文章投稿派なので、インスタよりスレッズ?と思い直している最中です。

ですが、旧Twitterってときどき署名人同士が言い争いを勃発させるので、それをリアルタイムで見るのがとても楽しく、去り難い。

夏休み—ドイツ&フランスの旅

10日間、ドイツとフランスに行ってきた。盛りだくさんだったので、忘れる前に書き残しておく。今回は、「計画を立てるのはやめて、気の赴くままに動く」ことを念頭に置いた休暇だったので、大したことは何もしなかった。

フランクフルト

中央駅に到着するなり、ブルージーンズに黒のTシャツの中年で埋め尽くされていたので、「なんだろう?これがフランクフルトの最新ファッション?」と首をかしげていると、彼らのTシャツに「IRON MAIDEN」の文字が。コンサートがあるらしい。

夜、グーグル先生に示されたルートで中央駅のそばにあるホテルに戻ろうとしたところ、とんでもない地区を通って帰るはめに。普通のホームレスというよりは、ドラッグ依存症がかなり進み、ゾンビ化してしまっている人々があちこちに。コロナ禍以降の先進国の都会の風物詩と言ってもいいかもしれない……

ドイツ入りする前から、在ドイツの方々に「各地のソーセージを楽しんでね!」と言われていたので、フランクフルトのソーセージとは?と調べたところ、意外にも、いろんなハーブが仕込んであるとかそういうのではなく、細めのお弁当に入れるような感じのソーセージが「オリジナル」らしく、店のメニューにそう書いてある。うまい!かじると、プリッとしてる。塩辛さがビールとよく合っていた。

トロントからパッと行ける距離なんだから、フランクフルトのブックフェアに一度は行くべきかなと、思いを新たにした。

ハイデルベルク

中世のお城が有名で、そこへ観光客が一極集中している古都。城のある丘に登るだけで体力を使い果たす。途中で「疲れた!」と揉める家族が続出するほど勾配がきつい。ところが、その丘から降りた直後に家人から連絡があり、「対面の丘をハイキングするから来い」とのお達しが。ハイデルベルクは、あの万年筆ラミーの本拠地。ラミー専門店で子供用ラミーを購入。

家人はハイデルベルクにある大学のサマースクールで一仕事。私もさまざまなネットワーキングイベントに駆り出される。ヨーロッパ各地から学生が学びに来ていたが、工学部の学生って、就職に苦労しない上に、「起業」という現実的な選択肢があるので、全体的に前向きで明るい。まあ、通常の学期が終わっても、サマースクールに参加するくらいなので、モチベーション高めの人が揃っているのだろう。私が何をしているのかを興味津々に聞いてくる子たちもいて、結構楽しかった。

ドイツで起業している性的マイノリティの人に会った。その人の会社で働いている人が全員性的マイノリティで、全員在宅勤務であることを知る。その会社は一攫千金を狙うタイプの「スタートアップ」ではなく、大企業の仕事を請け負う安定型なので、自分たちが働きやすい環境を作るという意味で、こういう起業はありかも、と感心した。

ドイツの大学関係者とやたらと時間を過ごす結果になったが、ある人が「今引退してもオレは退屈せんぞ。読み直したい本が山のようにあるから」と言っていたが、わかる!とうなづきながら聞いていた。

最後に、大学が用意してくれた観光案内人の説明を聞きながら、古都を見て回ったが、歴史好きさんの案内というのは、なぜあのように面白いのだろう。先端技術の開発者 vs 歴女のやりとりもおかしかった。

カールスルーエ

パリ行きの電車が満席で狙っていた電車の切符がとれなかったために、思いつきで立ち寄ることに。ハイデルベルク駅のみどりの窓口で働いているおばさんに、「(乗り換え駅の)カールスルーエには何があるの?」と聞くと、「スー」と答えが返ってきた。「スー?」「スーよ」「スーって?」「アニマルとか」「ああ、Zooのことね」と窓口にてスースー言い合う。

あれだけスースー言っときながら、結局動物園には行かず、ナチス時代の兵器工場が現代美術館になっている「ZKM」へ。広い美術館なので、全部を見る時間はなかったけど、建物が「元工場」感を放っていて良かった。

パリ

カールスルーエからの車窓に、「ああ、こういう風景の描写を翻訳したことあるなぁ」と職業病を発症。ハイデルベルクとカールスルーエののんびり感が一気に打ち消されるパリの駅に到着。その後3日間普通に観光。今回は、友人から「バスキア&ウォーホール展がやってるよ」と情報をもらい、Fondation Louis Vuittonに行けたのがよかった。バスキアが売れる前のマドンナと付き合っていたが、依存症のせいでマドンナに振られたことを知る。

前回パリを訪ねたのは8年前。同じ地区にホテルをとったけど、8年も経つといろいろ変わるもんだなとしみじみ思った。グーグル先生のレストラン評価は全然当てにならないので、一周回って、稼ぐ目的で書いたわけではない個人のブログなどが、いちばんだなと。でも、最近ブログをせっせと書いている人は少ないし、検索してもなかなかヒットしない。

私としては、ギャルリ・ヴィヴィエンヌにあるペーパークラフトの店で、紙で作った蝶々や花を買えたことがいちばんの収穫。8年前に初めて買ったけど、なんたって紙なので、日焼けして汚くなってきていたのを買い替えた!次、いつ来るかもわからないし、いっぱい買ったにもかかわらず、買い足りなかった。

Walking with Sam

俳優のアンドリュー・マッカーシーを覚えていますか。そう、あのブラット・パックのひとり。『プリティ・イン・ピンク』や『セント・エルモス・ファイアー』に出ていた、あの人。今はテレビドラマの監督をしていて、ここ数年は、『Brat: A 80’s Story』や『Walking with Sam』と本を出し、現在、ブラット・パックのドキュメンタリーの制作中なので、ちょこちょことメディアに出てきます。

アイドル俳優であることをやめてから、若いときに一度ひとりでスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラを歩き、壮大な自分探しをしているあいだに、トラベルライターにもなりました。「探していた自分がわからないまま中年になった風」の文章が「旅」とマッチしていてうまい。

コロナ禍のあいだ、「アンドリュー・マッカーシーの本って、意外とおもしろいよ」と人に勧められ、まず、アイドル俳優時代の自分について書いた『Brat: A 80’s Story』を読み、それから、愛息子と一緒にサンティアゴ・デ・コンポステーラを歩いた話『Walking with Sam』を読みました。

『Walking with Sam』は、散歩中にオーディオで聴くのをお勧めしたいです。モラトリアム真っ最中の20歳になる息子サムと巡礼の道を端から端まで歩く話で、当然、息子と父親の関係がその間にどんどんと変わっていきます。著名なパパを持ち、マンハッタンで余裕のある暮らしをしている息子というだけで、「おいおい!」と言いたくなるのですが、それはさておき。それに、ふたりは贅沢なホテルにとまったりせずに、とても庶民的な巡礼の旅をします。

『Brat: A 80’s Story』で、アンドリューは自分の父親に結構お金をむしり取られていたことを告白しているのですが、親子関係が最悪で、父親ってものがよくわからないまま、自分が父親になってしまい、自分の愛息子にどう接していいのか、全然わからないんです。むしろ、息子への愛はあふれんばかりなのですが。表向きは、人生で何がしたいのかわからないで遊んでるだけのように見える息子をどうにかしたくて、「一緒に歩こう」と誘うのですが、本当は自分がどうしたらいいのかわからないんですね。

父はスマホでSNSばっかしている息子を愚痴り、朝寝坊ばっかりする息子を叱りつけながら、一方の息子は口うるさい父親にうんざりしながら、長い長い道のりを一緒に歩き、心のわだかまりを互いにぼそ、ぼそ、と言いはじめる。その姿はなかなかよいものです。母親はニューヨークにいるままで、ほとんど登場しないのもGOODです。

父親って、自由業でないかぎり、2カ月も休みとって子どもと一緒に過ごせないですよね。一般の人にはありえない、この設定がいいなぁって。サンティアゴ・デ・コンポステーラは、結構富裕層が歩いていて、どうやら、景色の悪いところやおもしろくないところはタクシーですっとばすらしいですが、このふたりはずっとひたすら全部歩くのです。日本に置き換えるなら、父と息子がお遍路するみたいなものでしょうかね。

アンドリュー・マッカーシーが若くて可愛かった時代を知っている人には申し訳ないですが、彼はグルメではなく、味覚がお子様で、巡礼の旅をしているあいだ、ピザと牛乳ばっかり食べてます。

『Brat: A 80’s Story』もおすすめです。ブラット・パックの俳優たちや、80年代の青春映画を知ってたほうが、断然面白いですが。今、推し活されている人が多いと思いますが、「推される」ほうは実はこんなに深く悩んでいたんだね、と垣間見ることができるような話です。私は『プリティ・イン・ピンク』や、ジョン・ヒューズの青春映画が好きなので、楽しみました。大好きな映画『プリティ・イン・ピンク』のエンディングで、アンドリュー・マッカーシーの髪がおかしい、何かが変だ、と思っていた人(私)には、その答えが『Brat: A 80’s Story』に書いてあります。まじめな話としては、ブラット・パックというものが流行したのは10年くらいの短い期間なので、その時代の記録としても読めます。

朝型生活

基本、宵っぱりだけど、昔、カリフォルニアのビーチタウンで会社員時代に大学に通いつつ仕事をしていたときが半年あって、そのときは起床の瞬間からフル活動だった。朝、コーヒー飲んで、学校へ行って、午後から仕事して、仕事が終わったら、学校の課題をやって、みたいな生活。同級生よりはるかに年上だったから、「ビッグ・シスター」と呼ばれていたし。よくやったよな、自分をほめてやりたい。

まず朝起きて、すぐに車に乗って、午前6時くらいから営業しているカフェに行く。通勤者がいつも並ぶので、気持ちを「無」にして並ぶ。「あんた、毎日Lサイズのラテを注文しとるだろうが!」と私が思っている女性が「今日は何にしようかな」と毎朝悩むから。

その日は、その女性じゃなくて、あるおじさんが朝の秩序を乱した。カフェで働く女の子は高校生くらい。おしゃべりずきで、お客さんと一言二言交わすのが好きなのだけど、たまに長くなる。急いでいるおじさんが「しゃべっとらんと、手うごかさんかい!」と怒ったのだった。

でも、カフェの女の子は負けていなかった。おっさんに向かって、「手を動かせっていうけどね、私の手は2本しかないの!!」って両手を腰に当ててしまった。おーい、2本しかない手が動かなくなったぞー!と私は外野から言いたかったが、慎んだ。

いや、この子、偉いよね。倍以上は年の離れた大人のわがままを制するんだから。おじさんはおとなしくなったよ。

この話、本当に起きたことなんだけど、私の妹のお気に入りの話だから、「もう一回あの話して!」とよくせがまれる。私はサービス精神旺盛な姉だから、「手を動かせっていうけどね、私の手は2本しかないの!!」って毎回両手を腰に当てるしぐさも再現する。

そんなに気に入ってるなら、他の人も気に入るかなって、書いてみた。

金曜日から猫の歩き方がおかしかった。ハードウッドフロアなので、猫の爪が床にあたる音で気づいた。後ろの左足が痛いらしい。

怪我しているのか、異物が肉球にささっているのか、確認しようとしても触らせてくれなかったし、触らせてくれたところで、老眼で見えない(はず)。

ネットで検索したら、脳の異常の可能性もあるとか恐ろしい情報を目にしたので、とりあえず、木曜日に何があったのかを思い出そうと記憶を辿る。

懐中電灯を使って猫を走り回らせていた……ことを思い出した。光を追いかけるのが大好きなので。そのとき、そこそこジャンプもしていたし、床を滑るように走っていたので、ひょっとして捻挫? と疑った。

ご飯も食べているし、暇を持て余すと足をひきずりながら私のところにやってくるので、まあ大丈夫なのかも。

「不便だね〜、痛いの〜?」といたわって話しかけていたら、朝あげたチュールを食べてない!!

やっぱり具合が悪いんだろうか? 

……と思ったのもつかのま、いつのまにかチュールを平らげてあった。

いつもチュールは秒で食べるので、ついついチュールが健康のバロメーターになってしまう。