山形でトミヤマユキコさんの講座がある。7日間ウソ日記を書くという課題らしい。本当は受講したかったけど、できないから、代わりにここに7日間ウソ日記を書く。全部がうそっぱちとは限らない。
5月30日月曜日
カスタマーサービスに連絡しても、相手がAIなのか人間なのかがわからないことが多くなって久しい。AIであっても、「Jenny」とか「鈴木」とか名前をあてがわれているせいもあるけど、あっちが学習してるのと同じで、こっちも経験値が上がってきて、「これは人間だ!」とは尚早に判断しない。今の時代、とりあえず相手は「AI」だろうと思って、「どっちかわからない」ということを肝に銘じて、カスタマーサービスと話したほうがよさそうではある。
最近、電子書籍のデータを取り込んで要約してくれるアプリを見つけたので、早速試そうとしたら、電子書籍最大手のアカウントとしかつなげられない。あの会社に独り勝ちさせるのは嫌だ! そこで普段使っている電子書籍の会社に連絡することにした。
「あのぅ、XXXというアプリを使いたいんですが、例の最大手のアカウントしか接続できないって言われたんです。将来的に御社もこのアプリと契約を結ぶ予定はありますか?」
とメッセージを送ると同時に、アプリのウェブサイトのリンクも送ってみた。「もうすぐ接続できるようになりますよ」と言われれば、待つつもりだった。ところがだ……
「お問い合わせありがとうございます。ところで、送っていただいたリンクを開くことができませんでしたので、スクショを送ってもらえますか?」
この返答を読み、私はいくつかの可能性を考えた。
1)リンクが本当に壊れている(人間 or AI?=わからない)
2)リンクをクリックする気がない(人間 or AI?=人間?)
3)真剣に対応しようとしているが、客に負荷をかけている(人間 or AI?=わからない)
使えていないアプリのスクショを撮って送るのは、なんか馬鹿げている。このような場合、相手が人間なら「すみませんけど、アプリ名も伝えてあることですし、そっちで検索してもらえませんかね」と言える。この時点では「人間 or AI?=わからない」なので、何とも言えない。ま、いいや。きっと、このアプリと連動させることはできないんだよね、と先回りした。
仕方がないが、例の最大手との組み合わせで使うしかない。こういうAI系アプリがどんどん出てきて、いずれはこの某社は消えていくのかもしれない。そもそもこのAI系アプリを見つけなければ、さよならしなくて済んだんじゃないか!? ちょっと寂しくなった……
「あ、じゃあ結構です」
「ご連絡いただき誠にありがとうございます。他に何か御用はありますか?」
いや、ないですよ……
まるで心がすれ違うようになった恋人が一方的に別れを告げるときみたい。「引越することにしたんだ。だから君とはもう付き合えない」。
「そうなんだ、今まで本当にありがとう。他に何か私に言いたいことはある?」
そんな恋人いるわけねぇ!! でもAI恋人なら言うかもね。お別れしたあとに、アンケートを送ってくるかもね。「いかがでしたか? もっとあなたに合った、ステキな恋人になって戻ってきたいので、アンケートに答えてね。所要時間は3分」
あなた色に完全に染まるステキな恋人…… 要らないです。だって、友だち同士のおしゃべりがつまんなくなるもの。
今日もまたAI(かもしれない)に無駄に時間を使ったナ。
