読書会13 – 李王家の縁談

4月の読書会の課題書は、林真理子の『李王朝の縁談』でした。おーい、この読書会はもともと海外のYAを読むんでなかったんかい? はい、この本を提案したのは私でした。

結論から言いますと、私は不満でした(私だけではなかったが)。何というか、雲の上の存在であることにプライドを持っているはずの主人公、伊都子が妙に下世話で、婚活支援大好きおばさんのようになっていました。たぶん林真理子ファンにとっては、そこんとこが魅力なのでしょうが、私は……でした。下世話に感じた理由の一つに、伊都子が「毛皮にXX円使った」とか「XX円分のお土産を用意した」などと書かれている点が挙げられます。おーい、雲の上の人とちがうんかーい!?って。

あと、タイトルに「李王家」とあるので、もっと李王家について、李王家に嫁いだ方子について書いてほしかったです。どっちかというと、李王家以外の他の家の話でした。でも、伊都子が主人公ではそれは無理なのかも。戦前の日本が王朝を通じて東アジアをつなげようとする、『ラスト・エンペラー』的な、東洋のマリー・アントワネット的な話を期待していたのですが、そうではなかったです。あと、国際結婚のややこしさ、難しさをじっくりと描いているわけでもないです。

ですが、みんなと話しているうちに、歴史的背景や王族の存在について盛り上がり、こういう物議を醸しかねない題材を、ある意味誰にでも読みやすく書いた林真理子ってちょっとすごいんじゃない?と思ったりもしました。

この読書会の前後に『李の花は散っても』という小説が出て、これも読んだメンバーさんの話によると、こちらのほうが私が求めていたものがしっかりと書かれているから、「こちらを読め!」とお達しが来ました。読みます!!

いつもとは様子の違った読書会になり、とても楽しかったです。

句会と白蓮れんれん

Becoming a poet

頭の体操したいし、そこそこクリエイティブに遊びたいし、何よりバカ笑いしたい。それに北国では冬の室内遊びを考えないといけない…… ということでしばらく前に句会を決行。一応、形式や伝統は重んじるけど、それ以外はどうせ海外在住の身だし、ということでゆるめに。

もちろん予習も修正もしない。その瞬間に爆発する創造性が決め手になるようなしくみでやっているので、その場でひねりだすことがすべて。場所もパブ。お酒が回ってくるとピン句(大人の俳句)も詠んでしまうし、「うーん」と産みの苦しみを味わっている最中に、80年代の懐メロがおかまいなしに邪魔をする。普段は使わない部分の脳みそをフル回転させているので、せっかくだから記録して、インスタに句を挙げている(別アカウントで)。

海外でも夏井いつきの本が大活躍。

上達したら、もっと複雑な思いを短歌にしたためたい、と思っていたけど、林真理子の『白蓮れんれん』を読んでいたら、白蓮の恨みがましい恋愛の和歌がいっぱい出てきて、私には無理だと思った。私はどっちかというと失恋からの復活を祝福する歌のほうが得意だと思う。

ちなみに『白蓮れんれん』は、途中から白蓮が林真理子化していた。白蓮の口を借りて、林真理子が言いたい放題言っている。まあそれが面白くもあるけど。