ウソ日記5

山形でトミヤマユキコさんの講座がある。7日間ウソ日記を書くという課題らしい。本当は受講したかったけど、できないから、代わりにここに7日間ウソ日記を書く。全部がうそっぱちとは限らない。

5月26日金曜日

『フェリスはある朝突然に』に出ていたアラン・ラック。彼が映画の中では高校生役だったにもかかわらず、当時28歳だったという事実を知り、軽いめまいを覚えた。あの映画は大好きな映画の中の1つで、キャメロン(アラン・ラック)が父親の真っ赤なフェラーリを破壊するシーンは私の心に永遠に刷り込まれているから、あのときの彼が28歳だったのは衝撃でしかない。要は、アラン・ラックは超童顔だったのだ。

私も童顔。中学生の頃は小学生に間違われ、大学生になっても高校生以下で通用し、「いい女」とか「セクシーな女」という時期がすっぽりと抜け、気が付けば、外見の衰えと中身が致した中年になり、小学生以来、人生二度目の「実年齢と見かけが一致した」時期を今迎えている。なんだろう、この感じ。古代ローマ時代の人間がルネッサンス時代に現れたみたいな……?

「いい女」「セクシーな女性」という時期があった中年女性を見ていると、特にハリウッドの女優の中に「いつまで20代後半をやっとるんや!」と言いたくなる人はいる。最近はそういうのから「降りる」宣言をする女優さんも多いけど、自分の外見を「20代後半」に氷結させることに、もしかして重大な意味があるのだろうか。

年齢を問わない集まりがあり、お隣に座っていた女性が最近誕生日を迎えたとのことで、「へえ、おいくつになられたんですか?」と失礼ながら訊いたら、「100才です」って。さすがに「うぁ!童顔ですね」とは言えない。その場に参加していることがすごい。その方は、我々がスマホを充電したまま家に忘れたときと同じ悔やみ方で、「補聴器充電してたのに、家に置いてきた!」とおっしゃった。

100才の人に直に会うことはそうそうない。めったにないチャンスだからいろいろ聞いてみたい。ほら、50代のおばさんは、「40代より50代のほうが自由でいいよ~」ってよく言うじゃないですか。だから、満を持して聞いてみた。

「100年の人生でどのあたりが最高だったと感じてますか?」

「すべてですよ」

そうかぁ、そういう境地になれるのかぁ。ひれ伏したい気持ちになった。

今日はいつもと違う、いい日だったヨ。