Y日記59 — トーナメントとパドル

仲間に誘われ、ピックルボールのトーナメントに参戦することに。参加料を払い込んでから驚いたのは、ノンブランドのパドルを試合で使ってはいけないという縛り。私のパドルは中国製のブランド名がそもそも書いてないのっぺらぼうで、「偽物」とは言えないだろうから、使っていいんじゃないの? スポンサーへの目配りなのだろうけど、安くはない参加料を払っているし、プロじゃないし、レーティングの低い下層民にまで、そのようなことを課すのはいかがなものかと思う。一応、れっきとしたブランド品のパドルも持っているので、最悪、それで戦うが、今いちばん気にっているパドルじゃない。「マーティ・シュプリーム」を思い出した。

新しいウェアをポチった。まずは身なりから。

2週間ほど前、ピックルボールのクラブで400ドルのヘッドセットを失くした。痛い。痛すぎる! ところが、クラブから電話があり、「ヘッドセットが見つかりましたよ〜」と朗報が入り、「1週間後くらいに取りに行きますね!」と明るい会話を交わしていた。

1週間後に取りに行ったら、今度はクラブが紛失した模様…… 「見つかったら電話します」と言われてから6日が経過。もう絶対に見つからない。この場合、私はどう行動すればよいのだろう。そもそも自分が先に紛失したのだ。それを預かってくれていたクラブも紛失したのだ。何回か無料でプレイさせてもらうくらいの要求はしてもいい気がする。ダメ?

今、iPADとスタイラスを使ってゲラチェックをしているけど、長時間使っていると電源がなくなり、「あともう少し!」のところで充電タイムに入ってしまう。これは便利なのか? 不便なのか? リズムに乗っているときに限って電源がなくなる。

自分の翻訳の質が悪すぎて「キィ〜」っとなってる。PDFにしてから気づくことが多すぎる。と同時に、他の訳文チェックも始まり、ダブルで「キィ〜」さすがにピックルボールには行けなくて、あまりに追い詰められすぎて、仕事のチームの人たちにSOSを送ったら、「大丈夫」とストレスを軽減してくれるメールが返ってきた。持つべきものは仲間。それでも翻訳は私の担当だ。ついでに書評の締切もあった。ダメダメな書評を書いて送ってしまった。ゲラチェックのときに直す。

ストレスで全身がかゆい!!

SNSを断つ!と言ったわりに、見てるし、投稿も2、3した。ちょっと面白いものにコメントもした。全然ダメじゃ〜ん。でも、前よりは見てない。というか表示される投稿に関心が持てなくなってきた。面白い意見や情報を提供してくれる人は限られている。YouTube見ながらヨガをするようになった。

Y日記58 — 会議で発言する意味

今週は俳優の平岳大のnote記事を読み、悶々としていた。

https://note.com/takehiro_hira/n/n199f97ce8b8f

ハリウッドでは、台本読みのときに議論に参加するのも必要って話で、ほう、そういうものなのか、面白いなと思って読んでいたら、最後に「眉間に皺を寄せ、意味深そうに外国語で何か言ったほうがミステリアスであったりするのです」と書いてあって、がっかり。そういうパフォーマンスに認知力を割いてしまっては、人前での発言に認知力を割けないと思う。第二言語の英語で仕事&話し合いをしている時点で脳みそを相当消耗しているはずだから。

私はどっちかというと会議では黙っていない。熱弁をふるったりはしないけど、誰かの意見に賛成しているなら、「賛成」と声を出す。つっかね、どの意見のどの部分に同意できるかを発言するだけでもすごく重要。提案したいことがあるなら、ちょこっと準備して提案もする。わざわざ参加者全員の時間を使って集まるなら、そこで話して進展させたい。会議で発言して「それはちょっと違う」とたしなめられることももちろんあるけど、それはそれ。人前で発言した手前、より心に刻まれる。最近、やってしまったのは越権行為だな…… 越権と知りつつも、「こうしてほしい!」という強めの希望があって、あとから不満をこぼすくらいなら、今言っておこうと。相手に無視する権利を認めたうえで。

私は「ミーティングの死」がきらいなのだ。そんなミーティングなら、ないほうがまし、と時間に追われているから思ってしまう。だから、このnote記事に登場する大女優と考えが似ている(はず)。

たまに、会議の進行や雰囲気作りがめちゃくちゃ上手な人がいる。会議でキツイことを発言しがちな人をやんわり抑えたり、長く喋る人をタイミングを見計らって止めたりする人。すごく尊敬する。ピックルボールの仲間に一人そういう男の人がいて、いつも「うまいね」と褒めている。「こういうことするのが大好きなんだよ〜」と本人が言うので、またまた「ほう〜」と感心する。

中東での戦争の影響で、旅行中だったピックルボール仲間とどういうルートで帰ってきたかが今話題。インドに帰省していた人は、インドから北上してアムステルダム経由で帰ってきたから大丈夫だった、と言うので、思わず地図を見た。ほお、なるほど。地球儀で見たほうが納得しやすいルートではある。

戦争ではないけど、コロナのときに、日本に一時帰国中だったので、予定を切り上げてカナダに帰った。チケット変更に650ドルくらいかかったけど、国境が封鎖されていく瞬間をギリギリかいくぐったので、あのときのドキドキハラハラは忘れない。そう思うと、飛びづらくなっているルートは増えているよね。ウクライナもそうだし、中東もそうだし。

地球儀といえば、今、北極の地政学の本を訳しているので、北極圏が見やすい地球儀を探していたが、高額なので、代わりに北極圏の地図を買った。届いてみると、紙質がよく(だから値段が高かった)、壁にマスキンテープでびっちりと貼っても落ちてくる。なんとかしてこの地図を壁に貼りたい。

Y日記57 — SNS断ちの誓い

忙しい。なのに、ふらふらとSNSに行ってしまう。気が滅入る投稿や、成功者バイアスかかりまくりの投稿をかき分けなければ、「この人の意見が聞いてみたい」と思う人の投稿に行き着かないのに。私自身は何も言うべきことはなかったりするし。

しばらくSNS断ちをするために、やっぱり日記を書くことにする。音声日記も滞っている。

最近、編み物で社会運動してきた女性たちを讃える本も出ていて、ようやくポジティブに認知されるようになったのだなと感慨深い。私もニットで社会活動してたしね。でも、ニットの活動で白い目で見られた記憶は消えてはいない。いつ、誰に、どこで、という細かいことは忘れているけど、感覚だけが残っている。編みすぎて気持ち悪がられるのはまだいいとして、社会運動を心底嫌う人はいる。支援は上から目線だとか言ってくる人もいる。そういう人に、この活動の成果を言ってみたところで、社会運動がそもそも嫌いなんだから、逆効果にしかならない。まあ、確かに思慮の足りないボランティア活動ってのはあるけど。

ネガティブなことを書いてしまった。

忙しいのは翻訳の仕事が3冊が一気に重なったから。3月いっぱいは修羅場。3冊のうち、1冊は共著だから、4人の著者が今私の頭の中にいるかんじ。おとといの夜は、ストレスのあまり、全身かゆくなって悶絶。

ソウルで知り合ったポッドキャスト仲間&翻訳仲間さんも、超絶忙しい2週間を過ごし、とんでもなく貧相なお食事をしてたと言っていて、実際何を食べていたのかも暴露していて、それを聞いた私は心底安心した。「君はひとりじゃないよ!」と太平洋の向こう側にいる彼女に向かって叫びたかった。

忙しいけど、ピックルボールはする。運動したほうが頭が冴えるし、ストレス解消。

少しずつ韓国ドラマ『You and Everything else』を見ている。やっと半分。日本語だと『ウンジュンとサンヨン』なんだけど、英語字幕で見ているし、タイトルも英語から覚えたので、『ウンジュンとサンヨン』なのか『サンヨンとウンジュン』なのかで迷ってしまう。

来年ニュージーランドに遊びに行く予定を立てている。さすがにニュージーランドは平和だろうけど、中東の戦争のせいで飛行機の燃料代が爆上がりしたらどうしようとやや心配。自分のことしか心配せんのかーい! いやいや、世界平和じゃ!!

Y日記56—音声日記など

いろいろ盛りだくさんだ。といっても翻訳とピックルボールしかしていない。

1月24日に「翻訳者のための書評講座」の10回目を開いて、2月6日にアルゼンチンのホラー小説『秘儀』の読書会をした。

『秘儀』の上巻はばらばらといろんなことが起きるけど、下巻で一気に回収されるらしい。私は上巻を7割しか読んでいなかったけど、他の人たちに教えてもらって、下巻を読むのが楽しみでしかたがない。上巻にオマイラちゃんという13歳の女の子が登場するのだけど、実在の人物だと知って、検索してしまい衝撃を受けた。小説の中の描写だけでもすごかったというのに! 『秘儀』は、政治、宗教、セックスが絡むホラーで、現実世界とリンクするところが多く、空恐ろしいのだ。結果的に、とても読書会向きな小説だった。

3月は『修道院覚書』の読書会をする。木下真穂さんを呼んで。前回も木下さんが惜しみなくポルトガルについて話してくれたので、とても楽しみ。

ポッドキャストを姉御とやっているけど、放送部だった姉御に比べ、しゃべりがうまくならない。よどみなく話せるのはバカ話をしているときだけ。文章は達者な文字弁慶なので、話すほうをなんとかしたいと思い、こっそりとスポティファイに「きょうこりん日報」なる音声日記を配信した。家族親戚と、インスタで繋がっている友人に向けてしゃべっているが、家族から早速、「滑舌が悪いのではない、声が小さいのが問題なだけだ」と出鼻をくじかれるコメントが届き、1話で終わっている。「日報」のはすなのに。でもまた配信すると思う。しゃべりを上達させたいから、無編集で配信。

うれしいことがあった。行き場を失っていた翻訳を引き受けてくれる出版社が現れ、契約が成立した。足掛け3年。石の上に3年。どうなることかと思っていたけど、予想以上の場所に着地できたのは、いろんな人のおかげです。性格的に、SOSを出すことにもお願い事をするのにも抵抗はないけど、頼み事してるくせに、うまく謙譲語が使えなくて、性格的にもへりくだるのが苦手で、直球しか投げられない自分にちょっと笑った。

ピックルボールのことを書き溜めてる。最近、電車の中で、ものすごい勢いでスマホに書き留めている。早くこれでZINEを作りたい。私にまじめなものは作れない。まじめな翻訳はできるのに。

かぎ針編みのひみつ

去年、The Knotty Boss の『かぎ針編みのひみつ Crochet Secrets』を訳しました。かぎ針編みをきれいに仕上げる技が満載で、編み欲が俄然湧いてくる一冊です。

かぎ針編みって、単色で平らに編んでいるだけでは気づかない限界がありますよね。ピクセル画像で起きるアウトライン「ガタガタ」問題と同じです。ピクセル画像の場合はAIでなめらかに仕上げますが、編み物はあくまでも人力。

その人力で、アウトラインをなめらかにし、隙間をなくし、あるいは、あえて凹凸を作り、糸を捩れさせ、テクスチャーを作り出す。あみぐるみなど、立体的なものを編むときに参考になる本だと思います。

東日本大震災が起きたときに、一緒にニットで社会活動をした、ニット作家、笹谷史子さんにこの本を紹介してもらったところ、あれほど編み物を深く研究されている人でも見直しができるテクニックがいくつかあったそうです。笹谷さん、ご紹介ありがとうございました。

著者は本職デザイナーで、インスタグラムから飛び出してきた人です。本書に書かれていることも一部、インスタの動画で確認できますが、動画って時間取るし、アカウントが消失すると元も子もなくなるので、この本を手元に置いておくと便利かと。

というわけで、この編み物好きさんの必読書、ぜひ手に取ってみてください。

余談:手芸や服飾史の本を訳しているうちに、名前が浸透したのか、「あぁ、新田さんね」と言われるようになりました。訳書を読んでから声をかけていただくこともあって、うれしいです。特に服飾の歴史はもっと訳したいなぁ。軍服史の本見つけたけど、ビジュアル少なかった。写真以前の時代の軍服は文章で表現するしかないもんね……