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Y日記30

髪型を久しぶりに変えた。おかっぱを「ウルフカット」に。以前から「ウルフカットが似合うはず!」と美容師さんにアドバイスされていて、実際に髪を切ったら、仕上がりが思いのほか良くて満足。ちょっぴり「岡ひろみ」。ピックルボールに夢中だから、髪型までそっち方向にいってしまうんだな。

↑こうなるには、ヘアアイロンでセットしなきゃいかんがね。前髪もしっかりと作った。

翻訳者の間では(といっても英語やヨーロッパ言語の翻訳者の間だけのような気もするが)、「和臭」のする和語を避けたほうがいいと言われることがよくある。そうかも、と同意するケースもあれば、そこまですると言葉狩りっぽくて自由がなくなると思うケースもある。私は、兵舎を「かまぼこ型」と形容したことがある。原文を読むかぎり、「かまぼこ型」だったので。でも、「かまぼこ」は和臭を放つ言葉とされるらしい。でも、この言葉を避けると説明的になる危険がある。

私は個人的に和語は時と場合によって使ってもいいと思っている。他の表現を考えても、うまい表現が見つからないときなどがそう。編集の人から物言いがつけば、変えたりする。判断の基準は原文が放つ雰囲気で決めたいけど、「和臭」って欧米の言語との乖離の問題でもあったりするから、韓国語や中国語だとどう扱われるんだろう? あと、使う和語によっては古臭いものもあるよね、和臭というよりは。今週の書評講座で聞いてみようかな。 

書評講座といえば、その課題書を超特急で本2冊読んだ。ステファン・テメルソン『缶詰サーディンの謎』とピエール・ルメートル『邪悪なる大蛇』。あと、殺伐とした世界にうんざりして、ずーっと積読していた『Humankind 希望の歴史』を読みはじめた。

Y日記29

20代最後だわ……って日記に付けてる番号のことですが。

今週はアメリカ大統領選に決着がつき、それだけで心底疲れたのに、その後「それ見たことか!」「現実を見ていないからだ!」など、勝ち誇った言葉がうじゃうじゃと吐き出され、うんざり。なかでも、いちばんむかつくのがビットコイン投資組です。「先を見てたんだよね〜」とか「儲かった!」と憚りなく自画自賛。人はいつからSNSなどで、儲け自慢をするようになったんでしょう。見苦しい。

アメリカだけではないですが、老後資金を個人が自力で貯める仕組みが普及しているので(401Kとか。日本で言うNISAみたいなもの)、経済が上向くと自分が期待する政党に票を入れる人は増えているんではないかと思います。従来の年金制度だと、年金積立を「政府にお金にとられてる!」と感じる人もいますよね。でも、401KやNISAだと、実はそこには「失敗しても自己責任」が織り込まれているのに、「自分で投資してる感」があり(確かに個人差が出てくる)、どうしても「この政党が勝つと株が上がる」期待を理由に投票する人が増える。

余談ですが、以前勤めていた会社で、「よく知らずに401Kに入ったら、60歳までお金が自由に引き出せないから騙された!」と言っている人がいたので、年金を含めた老後資金に関しては、人によってものすごく考え方が違うのだなと思ったことがあります。

あと、中絶問題も、自分が妊娠可能な年齢であるか、そういうお年頃にこれから差し掛かる子どもがいる家庭の問題でしかなかったのかなと、女性票の内訳を見てうっすら思いました。

それから、気持ち的に、副大統領は一体どっちなんだ問題もあります。つまり、名目どおりにJDヴァンスなのか、イーロン・マスクなのか、です。それくらい、マスクがしゃしゃり出てる。そして、JDヴァンスはペンス前副大統領と同じ道をたどるのか。それとも、第二期トランプ政権は2回目なだけに、もっとスムーズになるのか!?!?

あーやだやだ、気持ちを入れ替えよう。

でもね、確かに世の中が変わってきてるなって、街を歩いているだけで感じていました。

私は今までと変わらず、ピックルボールを続ける所存です。

選挙結果が出た翌日に、ピックルボールのコート脇のベンチで、初めて会うおじさんと休憩していたら、おもむろにバックパックから赤い野球帽を出してかぶったので、「ひぃ〜〜!!」と身構えたのですが、ただの赤い野球帽でした。

Y日記28

訳了だ! 次があるけど、ちょっと休んでから手をつけることにする。書評講座の課題書読んでないし、書評も書けていない。そのわりにはピックルボールのコートに足繁く通っていた。ストレスがたまっているときにこそ、パドルを振り回したい。

パドルを新しく買い替えた。前のは面がツルっとした、スピンをかけづらいタイプだった。それを仲間に貸したら「なんじゃ、このパドルは!?」とけなされた。私のテンションはダダ下がりになり、そのパドルを使う気が失せてしまった。だから、新しいのを買った。

買う前に、ピックルボールの仲間に「何がお勧め?」と聞いてみた。その情報を頼りに、店に行ったら、フランス語訛りの、おしゃべりが上手で、かわいらしくて、全方位にステキな高校生くらいの青年が数あるパドルの中から、2本選び出してくれた。いつまでも彼とお話していたい気分だったけど、即決したため、3分くらいしかおしゃべりできなかった。ち。

パドルは、それぞれに好みがある。有名ブランド品には「USA Pickleball Approved」の刻印されている。しかし、どれも中国製なので、ブランドを気にしない人は、激安の「USA Pickleball」と刻印されたノンブランド品をTemuで買って使う。上級プレイヤーたちが「変わらない」と言っているんだから、そうなんでしょう。私はこだわりがあったわけではないけど、美少年に貢ぐ気持ちで、高いブランドのパドルを買ってしまった。

私のWhatsupはピックルボール中心に回っている。回ってくるのは連絡事項か、ピックルボールネタのお笑い動画。いちいち見ていないけど、このスポーツのせいで頭がおかしくなっている人は私だけではないんだなと、いつも安心している。

話は変わり、久々に映画館で映画を見た。アメリカ大統領選が完全泥試合なので、うんざりする人もいるだろうけど、『The Apprentice』は面白かった。セバスチャン・スタンの演じるトランプが似てるけど、真似っこではないところがよかったし、弁護士のロイ・コーン役がジェレミー・ストロングだったので、まるで『Succession』を見ているかのようだった。私は、『Succession』が好きだった。

トランプの一番最初の奥さん、イヴァーナが私のイメージどおりに描かれていてうれしかった。アスリートでモデルで、東欧訛りのきつい英語を話し続け、貪欲にいろんなことに挑戦したい、したたかな頑張り屋さんだと勝手に思っていた。もう亡くなったけど。この映画にはアンディ・ウォーホールや、堤兄弟のどちらかもちらっと出てくる。

そのまま、ロイ・コーンのドキュメンタリーも見てしまった。実物は映画よりもより怖かった。人に共感を示せないタイプだったらしい。私がロイ・コーンに唯一共感できたのは、カエルグッズを集めていたことだった。カエルグッズは好みではないけど、自分の大好きな物に囲まれて暮らしたい気持ちはよ〜くわかる。

それにしても、アメリカのドキュメンタリー映画って、型にはまった感じのものが多いよね。インタビューされている人のドアップと昔の映像を交互に入れてるやつ。いいんだけど、途中、眠くなる。なので、『The Apprentice』をまず見るのをお勧め。

Y日記27

Netflixの『Monsters』を見終わり、最後の1話の付け足したような陪審員の場面を見てから、『羅生門』みたいだと思った。こういう世間を騒がした事件や裁判は、みんなが勝手に自分の意見を持って信じて疑わないところが、とんでもなく可笑しいのだと確信した。

小ネタ的には、80年代からかつら技術(植毛技術?)が飛躍的に向上していることを再確認できるドラマでもあった。ドラマを見てから、ドキュメンタリーを見ると、よりそれが鮮明だ。

兄弟を演じた俳優さんたちもよかったが、両親を演じた二人もよかった。私はクロエ・セヴィニーの顔や佇まいが結構好き。

毎日、とても天気がよくて、ピックルボール日和。何人かの人はインドアに移っていったけど、アウトドア派である私は冬ギリギリまでがんばるつもり。

ピックルボールは楽しいに決まっているけど、スポーツにつきものの競争心が時々ネック。私も競争心は持っているけど、ボールがアウトだかどうだかわからないときなどは、「わからないから、もう一回やり直し」でいいと思ってる。遊びだから。でも、そうはいかない人もいる。自分の主張が通るまで頑張るから怖い。先日も「あなた(のパドル)は絶対にボールに触った。音が聞こえたもの」と激しく主張された。そんなに触ってたら自分でわかるよ、と思ったけれど、問題はそこではないのだ。

そういうときは無言で相手の言う通りにし、その後、プレイの中ですさまじい攻撃をしてやっつけるか、ものすごい勢いでゲームを終わらせることにしている。

Y日記26

ハン・ガンがノーベル文学賞を受賞して、特に韓国語の翻訳者さんや版元が喜びの歓声をSNSで挙げているのを見て、私も幸せな気分になった。ハン・ガンの作品は既にたくさん日本語に翻訳されていたから。それに、私の好きな作家でもあるし。

ノーベル文学賞の候補になるには、そもそも英訳が必要で、英語圏外の作家が受賞するのはハードルが高い。そのことを快く思わない人もいるけれど、やはり英語圏で知名度が上がると、作品を読んでくれる人が増えるのは間違いない。権威の存在はいいところもあるから、むずかしいね。

その昔、ハン・ガンがブッカー国際賞を獲ったときに、英訳で一悶着があった。そのときに書いたブログ記事を貼っておこう。英語と韓国語の両方ができる韓国系の人々が英訳に物申したのだけど、その渦中に、英訳者がカナダのラジオ番組で堂々と釈明していたのをたまたま聞いて、えらいな!と尊敬したのだった。

『別れを告げない』の英訳はこれから出るところで、日本語を含めた他言語では既に訳され刊行されている。他言語の表紙はみな、済州島をイメージしてブルーが使われているのに、英語版はブルーを一切使ってなくて、黄色が差し色になっている。それを見たどこかの国の人がSNSで、「英語版も他に倣ってブルーを使え!」と文句を言っていた。

トロントでは毎年9月後半に作家祭が開かれる。今年は、『コーヒーが冷めないうちに』の川口俊一さんが来ていた。私もイベントに行ってみたけど、川口さんはトークがうまい! 北米の人にウケる話し方ができる。もちろん日本語で話して、通訳さんが英語に訳すのだけど。大型チェーン店では、『コーヒーが冷めないうちに』シリーズの棚もできていた。表紙がかわいいから、猫グッズやジクソーパズルと並べて売られてて、棚がそこだけ可愛かった。

話は変わり、今観ているドラマはこれ。実際に起きた実親殺人事件をモチーフにして、殺人を犯した息子2人の視点で描かれてる。「ハリウッドの金持ちのボンボンに対する思い込み」vs 毒親からのトラウマの構図。たぶん、当時の報道は「財産目当てのボンボンであること」に焦点が置かれていたけど、このドラマは子どもたちのトラウマに焦点が当てられているのがミソ。親に受けた虐待について話すシーンには息をのむ。