邦題は「菜食主義者」
2016年国際マンブッカー賞を受賞して話題になったけれど、イギリスの文学賞だから作品は英訳されないと候補にならない。個人的には、この訳者はかなりの短期間で韓国語を習得したというのも驚きだったし、賞金は原作者と翻訳者が折半というのも興味を引いた。
その後、この英訳が物議を醸していた。英語と韓国語ができるバイリンガルな韓国人たちから「意訳しすぎで、不正確だ!」「寡黙な小説が饒舌になっている」という反論。それがニュースになり、この若い英訳者がカナダのラジオ番組で弁明していた。自分の訳に間違いはあるけれど、翻訳に正解は1つ、はありえない、と堂々たる釈明だった。かっこよかった。
ニューヨーカーにも「The Vegetarian」の英訳にまつわる意見の違いの全容が取り上げられていた(記事はこちら)。
私もこの作品は英語で読んだ。韓国語を知らないので、この英訳はとてもよかったと思っている。何より、こんなに原作者のハン・ガンが英語圏で有名になり、ほかの作品も訳されて、御の字じゃないかしら、と思ったりする。