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I was miles away

日本語で「あ、今、ぼうーっとしてた」と言うとき、比喩的に「あ、ちょっと今遠い世界に行ってた」と言うことがあります。英語だと「I was miles away」です。比喩的にではなく、本当に「遠く離れたところにいた」の場合も、「I was miles away」ですが。

「mile」が使われているので、これはアメリカ英語ですね。イギリス英語だとどうなるんでしょう? Kilos away??? なんか響きが悪いですね。別の表現がありそうです。カナダ英語は、文化的にはイギリスの影響が強くても、地理的にアメリカに近いので度量衡に関しては入り混じっています。なので「I was miles away」と言っても通じます。

カナダで難しいなと思うのは布を買うときです。店員によって、ヤード(yard)、メートル、インチのどの単位で注文しても、換算して「単価はヤードだからこれくらいになるけどいい?」と親切に対応してくれる人もいれば、メートルで注文すると、「うちはヤードでしか売らないから!」とぶっきらぼうに言う人もいます。

ところで……

先日「ピヨちゃん」を初登場させた動画の再生回数が桁外れに多く、驚きました。そして、なんと、初めての「dislike」を獲得しました!

この動画チャンネルは「ユーチューブ」という大海の一滴にもならず、わずかな回数しか再生されていないので、ある意味、「dislike」は一大ニュースです。

持続可能な魂の利用

松田青子さんにはトロントで直接会って、短い時間だったけど相談したことがあります(ご本人は覚えてないと思うけど)。松田さんは小説家ですが、英語を話すのもうまいし翻訳もされるし、とがった雰囲気もあって、興味を持っていました。

で、で、で! まさかこの小説にトロントが頻繁に出てくるとは思いもしませんでした。私が出会ったあの頃に、「トロントを使っちゃおうかな?」とか構想を練っていたのかもしれません(?)。この小説には、日本で女性として生きていくことの生きづらさがAKB系のアイドルになぞらえて書かれていて、女性がもっと自由に生きられる場所としてトロントが登場します。

トロントに長く住んでいる人は「でもね……」と言いたくなるかもしれません。性のダイバーシティを叫ぶトロントに長くいると、その中で生まれる矛盾にも気づかされるのです。性差や性的指向を理由にした差別が仮になくなったとしても、比較的寛容な街に移り住んだとしても、「じゃあ、あなたはどうやって生きていく?」という課題は残るからです。そういう根本的な問題は政治化させても解決できません。自分が強くなる方法を見つけるしかない。

この本を読みながら、かつて日本で暮らしていた我が身を振り返らずにはいられませんでした。私の場合、人生最初に直面した難関が、わが父の異常な男尊女卑で、16歳にはかなり高めのハードルでした。ある日、父と船釣りに出かけ、釣りが嫌いな私はカメラ片手にカモメや空の写真を撮っていました。すると、船を操縦していた漁師さんに「女の子なんだから、お父さんの手伝いをしろ!」と怒られました。私は呆然とし、釣りのエサも、釣った魚も怖くて触れないので、断固拒否しましたが、向こうにしてみれば、「勝手なことばかりして、一体何のために船に乗り込んだのか、コイツは!?」と腹立たしく、注意せずにはいられなかったのだと思います。でも、「女の子/男の子なんだから」の枕詞が付くと、カチンとくるわけですね。

ま、この個人的なエピソードはこの小説とは関係ないですが…… 

小説のストーリーは複層的で、空白の改行によってのみ、場面が変わったことが知らされるので、「おっとっと!」と読者としては躓きそうになりますが、反抗的なイメージのアイドルグループのセンターと主人公が重なっていくところは、なかなか面白いです。

これ、男の人が読むとどう思うんでしょうね? 感想が知りたいです。

ラオスにいったい何があるというんですか?

コロナのせいでどこへも行けないので妄想の世界で旅をしました。村上春樹が旅をした10カ所のうち、7カ所に私も行っていました。ボストンやメイン州のポートランドなど、行ったことすら忘れていましたが、アイスランドとギリシャ(滞在した島は違うけど)の紀行文には特に共感を覚えました。この2つの紀行文はすごくいいです。アイスランドのブルーラグーンは、多分、村上春樹が行った頃とはすっかり変わっているとは思いますが(温泉が変わったわけではなく、商魂がたくましくなっているという意味で…… 私が行ったときは、アイスランドのここだけが異常なほど国際化していて、珍しくはあったけど、宿泊先のホテルにあった温泉のほうがよっぽど好きでした)。トロントからアイスランドは近いので、また行きたい。

一人旅か二人旅の多い私は、がっちり予定を組まずに気の赴くままに移動を楽しむほうなので、村上春樹の紀行文に漂うのんびり感に安堵を感じました。

My lips are sealed

英語でも「My lips are sealed.」と言いながら、指先でチャックを閉めるような仕草をする人がいます。その辺は、国境ないんでしょうか。他の言語だとどうなんでしょう?

「絶対誰にも言わないでね」と言ったって、人のお口にチャックなどできません。秘密とは不思議なもの。誰かに秘密を打ち明けられると「信頼された」と思ってうれしくなる反面、それを誰かにばらして、信用を裏切ってしまうのです。

なーんて言うと、「やだやだ、自分のことは絶対誰にも言わないでおこう!」と思うかもしれません。

でも、自分の苦しみを他人に打ち明ける行為は、自分を客観視する第一歩のような気がします。苦しみや悲しみの主人公になっている間は、そこから抜けられない。だって、主人公なんですもの。

とはいえ、人に苦しみを打ち明けるとき、何も赤裸々にぜーんぶ話す必要もないと思います。文章を書いたり、絵を描いたり、俳句を詠んだり、写真を撮り歩いたり、何かしら自分の思うままにできることで、心の中の黒いものを浄化させて表現するのもいいかなと思います。

話は変わり、動画に新しく登場したピヨちゃんですが、他の2つ(キクとタマ)と同じメーカーのものなのに、この子はやたらとはきはきしゃべるのです。開けてびっくりです。実はそれぞれに癖があり、猫のタマは、私がしゃべっている先からものまねしはじめるので、結構大変です。トイプードルのキクちゃんは、英語を話す設定なのですが、英語の子音をうまくキャッチできません。まあ、英語ネイティブでない私の英語がうまく聞き取れていないだけなのかも……

不毛地帯(全巻読破)

いやぁ、非常に情報量が多く、5巻までの道のりは長かった。昭和の話なので、情報戦が料亭とか銀座のクラブを基軸にしていたり、「財務省」や「金融庁」ではなく「大蔵省」だったりして隔世の感はある。基本、男たちが主役だけれど、女性のほうも芯が強いし、豪快なキャラクターもいる(弱い女性像は山崎豊子が書きたくなかったのかも?)。

誰かが、「リアルタイムでニュース記事を読んでいるとノイズが多いので、10年前くらいの新聞・雑誌の記事を読むと、物事の本質がよくわかる」と言っていた。この小説もそんなかんじじゃないかと。ま、小説だし、10年どころか、もっと古いですけどね。

なんたってシベリア帰りの元参謀本部の男が、大手総合商社に大きく水をあけられている「関西系の繊維商社」を成長させる話が軸になっているので、スケールが大きい。昭和の大物政治家(ついこの間まで首相だった人の親戚だとか、田中角栄など)、黒幕(児玉誉士夫らしき人や稲川会の会長らしき人など)も出てくる(本名で出てくるわけではないので、想像しなければならないけれど)。

1巻:シベリア抑留生活と東京裁判

2巻:航空自衛隊の次期戦闘機選定合戦

3巻:資本自由化でアメリカ資本が日本自動車業界進出を画策

4&5巻:イラン・サルベスタン鉱区での石油発掘

ドラマは新しいのも古いのも見ていない。なんとなく映像にすると、『半沢直樹』のような暑苦しそうなストーリーになる気がしなくもない。

巣ごもり生活中に、『デカメロン』、そしてこの『不毛地帯』と超長編を読んだ。2カ月ほど前に、仕事の資料として『三国志演義』と『戦争を平和』という超大作を買った。ちらちらと読んでいるうちに、最初から最後まで読んでみようかなという気がしてきた。今なら読めるかも。