Road to the Headshot

プロフィール写真が必要になった。どうせ撮るなら、遺影やポートレートにも使えるように、プロに撮ってもらおう!善は急げ。てなことで、写真が出来上がるまでの道のりを記録しておく。

いつもは顔を出さない仕事をしているので、自分のロゴを使ってあちこちに登場し、「あ、あのロゴの人だ」という認識のされ方をしている。そこで、「ロゴに似せてプロフィール写真を撮る」というアイデアを思いついた。もしかして、これは「アニメの実写版を作る」のに似てないだろうか?と、ひとり勝手に燃えはじめた。

カメラマン

まずはカメラマン探し。幸い、トロントには映画関係の仕事をしている人が大勢いるので、「映画を撮るのが本職だけど、お小遣い稼ぎにプロフィール写真もやってます」なんて人が検索するといっぱい出てくる。私の場合、確固たるイメージがあったので、過去の事例をたくさん載せている人でないとピンとこない。こういうときは、やっぱりインスタグラム!

https://www.instagram.com/calvinthomasstudio/

全然知らない人だけど、気に入った。被写体の人柄みたいなものがにじみ出る写真を撮っていると思う。価格は、ビジネス用か俳優用かで違う。俳優用は高め。私のは仕事用だけど、ふざけてるからなぁ……と悩みつつ、一番安いビジネス用で予約。

結果からいうと、すごーくよかった。自宅の一部がスタジオになってるのだけど、その自宅のインテリアのセンスがすばらしい。映画愛にあふれてた。趣味が合いそうだと直観的に思った。

で、その直感は当たっていた。私が「こういうのを撮りたい」と見本になるものや小道具を見せると、親身になって聞いてくれるし、「カメラマン的にはこっちだよね」などなど、ズバッと意見を言ってくれるので時間が無駄にならない。多忙な人、目的がはっきりしている人、「こうしたい」ってのが何もないけどプロに完全にお任せしたい人にはお勧め。

15分くらいで全部が終わったけど、人をのせるのがうまいというかなんというか、この撮影中、私はずっとしゃべり続けた。

メイク

このカメラマンを予約するときに、「普通みんなメイクするの?」と訊くと、「するけど、いつもの自分とは違う、がっつりメイクはやめたほうがいいよ」としごくまっとうなことを言うので、次はプロのメイクさん探し。カメラマン経由でメイクの予約もできるけど、誰がやってくれるのかはわからない。

私は平坦な顔のアジア人であるからして、メイクさんは日本人がいい! 知り合いの勧めで、いい人を見つけた。こちらの方。

https://www.chiekohairmakeup.com/

このメイクさんに、あのカメラマンのインスタの写真を見せ、私のアイデアを説明すると、「ふんふん、なるほど」とさささーっとメイクが始まった。さすがプロ。この方も、ほとんど何も言わなくてもいいし、仕事が速い。トロントでポートレート写真撮るなら、お勧めです!

髪型

自分のロゴのように写真を撮るには、髪型を変えなければならない。前髪が長いし、おしゃれウィッグをかぶりたい気持ちもあった。美容師さんに事情を話すと、「おもしろ~い、時間はたっぷりあるよ」と相談にのってくれて、前髪を作ってもらった。前髪切っただけのように見えるけど、いろいろと工夫してもらってある。

小道具

小道具に関しては(というかアイデア全体について)、サンフランシスコにいるときに、手芸部の友人たちにいろいろと相談に乗ってもらい、いいのが見つかれば即買い。安い伊達眼鏡をいくつか買って、手に持つ本は、手持ちのモレスキンの日記帳を使った(モレスキンのゴムひもはレタッチのときに取ってもらった)。そして手持ちの黒い服。

あとから友達に指摘されたけど、指の赤いマニキュアを忘れた。ちくしょー!

ザ・最後の一枚選び

合計150枚撮った。その中から、1枚選んでレタッチしてもらうのだけど、とりあえず4枚に絞り、友人と家族に投票してもらった。4枚から1枚を選ぶには、客観的な意見がほしかったので。ほとんどの人がいいって言ってくれた写真を選んだけど、みんなも悩んでた!

ええ感じではないか! いやぁ、あのロゴがなかったら、撮れなかった一枚だね。それに、ここにたどり着くまでに、実にいろんな人に助けてもらって、感謝感謝!

PODCAST S2 EP10

シーズン 2 のエピソード10をお届け。今回も姉御とふたりでまったりと。

1)きょうこりんが古巣のサンフランシスコに行っていたので、そのときのことをべらべらしゃべってます。今シーズンのテーマ「加齢」に絡め、ちょっと年上の人たちとお付き合いすると、自分の近い将来が想像しやすいって話でもしてます。

2)あと、大好きなポーボーイ・サンドイッチについて語ってます。また食べたい!

シーズン2のフィナーレには、憧れのあの人が登場!!

Spotify だけでなく、アップルポッドキャスト、グーグルポッドキャスト、アマゾンミュージックでも聞けます。「きょうこりんと姉御」で検索してみてね。

PODCAST S2 EP9

シーズン 2 のエピソード9をお届け。今回は姉御とふたりでまったりと。

1)きょうこりんが最近見た映画『ザ・メニュー』と、姉御おすすめのドキュメンタリー『Pelosi in the House』について話してます。そう、Pelosi ってあのナンシー・ペロシです。彼女の娘がドキュメンタリー映画監督なので、自分のお母さんを映像で追っていて、あのアメリカの国会議事堂襲撃事件のときに建物の中にいたので、中からの映像が見られるのが面白いのだそうです。

2)ペロシから、トロントのお隣の町ミシサガで長年市長を務めた女性政治家の話におよびます。つい最近101歳でお亡くなりになりました。そこから、なぜか、カナダとアメリカの違いを話しました。この2つの国の違いっていうとすぐに健康保険制度になってしまうんだなぁ。

3)そしてきょうこりんの2回の骨折と、そのおかげで疑似体験できた「老後の生活」についてはおしゃべりしています。

シーズン2もあと残すところ2回です。早いなぁ!

Spotify だけでなく、アップルポッドキャスト、グーグルポッドキャスト、アマゾンミュージックでも聞けます。「きょうこりんと姉御」で検索してみてね。

カナダで起きたMeToo

ブログを1週間連続で書くプロジェクト、最終日。今回は長文。

アメリカの大物映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインシュタインに対し、何人もの女優たちが声を上げ、MeToo運動が起き、ワインシュタインは失墜し、罪に問われた。2017年のことだ。

それに先駆け、2014年、カナダではCBCの人気ラジオパーソナリティ、ジャン・ゴメシが3人の女性に性暴力で訴えられ、即時CBCから解雇され、社会的制裁を受けた。ただ、ワインシュタインの場合とは違い、ゴメシはすべての訴えに対して無罪になった。もちろん、その判決に納得する女性は少なかったし、何より、無罪に導いた弁護士が女性だったことが物議を醸した。

彼女の名前は、マリー・ヘナイン。カナダでは有名な辣腕弁護士で、いつも弁護士っぽくはないファッションで身を包んでいるので、トロントの街を歩いていると、彼女だとすぐわかる。

当然、マリーへのバッシングもすごかった。裁判が終わっても彼女はCBCのインタビューを除き、沈黙を貫いた。「本人が話すことであり、私が話すことではない」と言って。

私はずっと彼女のことが気になっていた。世の中の女性を敵に回しても、性犯罪を犯したと言われている著名な男性たちを弁護するのはなぜだろう。彼女が救った男性はゴメシに限らない。高額な報酬が目当て? 名声欲? ただ男たちが彼女に弁護してくれと依頼してきたから?

2021年、長い沈黙を破って彼女は自叙伝を出した。タイトルは『Nothing But the Truth』。私はすぐに買って何度か読み返した。エジプト/レバノンから幼い頃にカナダに移民した「家族の話」、女性蔑視の傾向が強い中東の文化で育った子どもの頃、そして弁護士になるまでの「おきまり」の話から始まるが、後半は法律や人権について話がおよぶ。マリーは相変わらず、ゴメシ訴訟には明言を避けているが、重要なことをいくつか述べている。

「法廷には女性判事もいる。女性判事が女性原告に不利な判決を言い渡しても、バッシングはされない。でも女性弁護士はバッシングされる。それはなぜなのか。弁護士は法律を作るわけではない。男性によって作られた法律や司法制度に問題があるならば、それこそ女性が社会進出をしなければ、制度は変えられない」

「一般の人は基本的人権を普段は意識しない。誰かが<あいつは罪を犯した>と警察に届け出したときになってはじめて、基本的人権のありがたさを知る。そして弁護士のところに救いを求めてやってくる。弁護士は被告の基本的人権を守るためにいる」

「(ゴメシの)訴訟に関して、日和見主義的な政治家が勝手なことを言う。そういう政治家には気をつけるべき」

この自叙伝が出たときも、マリーへのバッシングは再燃した。

社会を揺るがす事件や訴訟があると、世間は勝手に「こういう判決が出てほしい、出るべきだ」と思い込む。その気持ちはわかるけれど、必ずしも世間の思いどおりにはならない。「法の裁き」は弁護士の力量にも左右されるし、社会的制裁とは違うのだとしみじみと思い知らさせる。

最近になって、映画監督で女優でもあるサラ・ポーリーが、「私もゴメシに性暴力を受けたから、あのときの3人の女性側に立って声を上げればよかった」と表明した。しかし、サラは周囲の助言にしたがって、女性側を擁護しなかったのだ。裁判当時から言われていたことだが、原告の女性たちには、しっかりとした法律の助言を与えてくれる人が周囲におらず、それが「証拠不十分」につながった。著名人のサラ・ポーリーに助言を与えた人はどういう人たちだったのだろうか。

ゴメシ事件は、ワインシュタインの場合とは違い、その権力も小さく、もっとグレーゾーンだった。見た目にかっこよくて、どの女性も最初は彼のことが好きだった。しばらく彼と付き合ううちに暴力を受けたのだ。ゴメシが女性を大切に扱わない人間なのは誰の目にも明らかであっても、証拠不十分になってしまった。原告の女性たちには申し訳ないが、カナダ社会が今もゴメシを表立って社会復帰させていないことで、十分な罰を与えていると私は思う。でも、もしもカナダ社会がそういう強い態度を示さなかったら、原告の女性たちは踏んだり蹴ったりだったかもしれない。

マリーの言い分に同意できる部分もある。長くてまどろっこしい道でも、もっと女性が社会進出し、社会を「作る」側にならなければ。とはいえ、隣の国アメリカの最高裁の女性判事たちを見ていると、ルース・べーダー・ギンズバーグのような先進的な人が出てきたかと思えば、エイミー・コニー・バレットのような保守の人が選ばれたりと、女性だからというだけで意見がまとまるわけでもない…… おそらくそれが自然なのだろうけど、また私の頭は延々とループするのだった。

この本は、特に刑事法を専門に弁護士を目指す女性には、参考になることも多いと思う。本当はずっと前にレジュメを書こうと思ったけど、カナダ以外の国に住んでいる人には響くものがないかも?と思って書かなかった。興味がある人がいたら、レジュメ書きます。

Penguin Random House Canada の Signal から。304ページ。ISBN: 9780771039362

ほらほら、この表紙にあるみたいな恰好をいつもしている。私もトロントのある劇場で見かけたことあるよ。

今日のハイライト

1週間ブログチャレンジが終わったぞ! 次もまたいつかやろうっと。

Pick my own fight

ブログを1週間連続で書くプロジェクト、今日が6日目。あと1日。

私はアカデミー賞授賞式を友だちと集まって観るか、パブに出かけてパブリックビューイングをするのが好き。思いきり楽しむには、ノミネート作品を観てから挑むのがいちばんだけど、最近、それができていない……

2019年アカデミー賞授賞式のパブリックビューイングでのこと。コマーシャル中に行われた映画クイズの時間に、私はあからさまな人種差別に遭ったことがある。

「映画『プリティ・ウーマン』でジュリア・ロバーツは主演女優賞を獲ったでしょうか?」

正解を知っている!これはいただき!と思い、広い店内の後ろのほうから勢いよく挙手すると、司会者のドラァグの人が「そこの黒い服を着たアジア人!」とあててくれた。ところが、私は不正解だった。その前に答えて不正解を出した人と同じ答えを繰り返したらしく、司会者に「オイオイ、場が盛り下がる!」みたいな顔をされ、「あなたのその細い目じゃ、この場で何が起きてるのかわかんないんでしょうね」と言われてしまった。マイクを通して。

何も言葉が返せなかった。一緒にいた友だちは、正解を検索するのにスマホにかじりついていて、何も耳に入っていない。店内にいた人たちも「せっかくの楽しい時間が、ああ、めんどうくさいことになりそうで嫌だ……」「売られた喧嘩を買うか買わないかは、アンタ次第」という態度を決め込んでいて、誰も何も言わなかった。

自分がブラックホールになるのを感じ、マイクを手に持った人と喧嘩したって勝てるわけない、と思って引っ込んだ。

当時、クリエイティブライティングのコーチングを受けていたので、コーチにこの話をすると、コーチは「なぜ声を上げななかったの!?」と自分事のように怒った。性的にも民族的にも、というか、どこをどう切り取っても「マイノリティ」でしかない人だったので、いつも肩を怒らせて闘うタイプの人なのかもしれない。あまりにも私がおとなしいので、「あなたが何もしないなら、私がその店に電話をかけて抗議する!電話番号を教えて!」と過激なことを言いだす始末。

「いや、これは私の闘いであって、あなたの闘いじゃないから、余計なことしないで!」

私は必死にとめた。自分の身に起きたことなのだから、他人にかき回されたくない。余計にややこしくなったら、どうしたらいいかわからないじゃないか!!

「じゃあ、この経験をエッセイにして書く」と私はコーチに約束して、実際に書いた。コーチもそれを気に入ってくれて、発表しようと言ってくれた。

で、ある編集者に送った。

数日後、編集者から「編集入れたよ」と連絡がきた。ドラァグの司会者の人称代名詞が「they」に修正されていた。それを見て、めらめらと怒りが湧いた。私はあえて「he」を使ったのだ。それは私の静かな抵抗で、「そっちが差別するなら、私も!」みたいな、目には目を!のつもりだった。それが正しいことなのかどうかは別にして。

「あの人称代名詞はすごく重要なんだ!勝手に変えないで。あれはプロテストなんだから!」とメールを書きなぐった。

意見は決裂。文章は未発表。人種差別を受けたこと自体より、あとから来た二重三重の余波のほうがもやもやする、忘れられない事件だった。

今日のハイライト

『ひとりの双子』を読み終えた。これについてはまたあとで。