翻訳者向け書評講座(第二回目)のご案内

2回目も豊崎由美さんを講師にお迎えして開催します。

日時:4月16日(土)日本時間13:00開始

場所:Zoom(録画します)

所要時間:2時間(前回はかなり時間オーバーしましたが)

受講費:1500円

人数:30名まで(うち先着12名の書評または訳者解説を講評&合評。残りの18名は採点と合評からの参加)

一般告知前に、先着12名の枠は埋まりました。採点と合評から参加する約15名を募集しています(この方々はもちろん書評を書いていただいてもかまいませんが、講評と合評はされません。グループのnoteでの発表はできます!)

課題書:

ルシア・ベルリン、岸本佐知子訳、「掃除婦のための手引き書」(講談社

マギー・オファーレル、小竹由美子訳、「ハムネット」(新潮社)

以上2作のうちどれを選んでいただいても結構です。2作ともの書評を書いていただいてもかまいません。

「書評」を書く方は800〜1600字。「訳者解説」のつもりで書いた方は1600〜3200字。自分がどちらにしたか明記してください。また、「書評」を選択した人はどういう媒体に載せるつもりで書いたか、最後に(想定媒体=○○××)と付記してください。字数は厳守です(タイトルは字数に数えない)。

流れ:作品を読んで書評提出 → 採点 → 講評 → 合評

提出方法:ワードファイルで作成(縦横お好きなように、フォントやサイズは適当で)。無記名でお願いします。
提出日:3月28日(月)(海外在住者は、ご自分のタイムゾーンの3月28日で)。knsbookclub@gmail.com、新田享子宛に送ってください。
提出作品をこちらでまとめます。4月9日(土)までに12点の書評(または訳者解説)の採点をお願いします。申し込みをしていただいたときに、この「採点」の説明をします。

また、いったんお支払いいただいた受講料は、受講者の都合でキャンセルした場合、お戻しすることができません。講座は録画しますので、その録画をご覧いただくことになります。

余談:第1回目の後、受講者の間で大変に盛り上がり、講座のあとで書き直したものを発表する場を note に作りました。その中のおひとりに上の仮ロゴを作ってもらいました。なぜ、鍋なのか?

海外文学と一口にいっても、いろいろな国の文学作品がありますし、内容もとても多様です。講師の豊崎さんに「いろんな視点があっていいんですよ」と教わったのもあって、note のグループ名には、鍋系の名前がたくさん候補にあがりました。書評鍋、海外文学鍋などなど。投票の結果、BOOKPOT (ブックポット)に決まりました。

というわけで、豊崎さんの講評のあと、互いのアプローチの違いを尊重しつつ、活発な合評が繰り広げられますので、みなさんお楽しみに!

新しいことしてみる?

年末も年始も変わりなく、ひたすら仕事をしていましたが、同業者をはじめ、フリーランスをしている人はみな同じようでした。でも、お勤めをしている人はそうじゃない。私も会社員時代は、「長い休みがないと、やってられねぇ」と思っていました。ちなみに私は、アメリカの企業に勤めていたときはもちろん、日本の会社でお勤めしたときも、有休を全部取りつくしていました。「有休」それはサラリーマンだけが持つ特権です。

この間、大組織の中で働いている知人が、「定年が来たら、さっと身を引いて違うことがしたい」と言っていました。その気持ちがとてもよくわかる気がしました。ちなみに私の父はささっと仕事を辞め、ぶらぶらしていましたが、長生きしているせいで、もう「仕事を辞めてぶらぶらしている時間」のほうが長くなっているはず。私の祖父はその逆で、一生現役。体が自由に動かなくなるまで働いていました(自分で起業した会社だったので、誰もクビにできなかったのかも??)

まあ私も一生現役で行くでしょう。というか、自分で「これも仕事のうちだ」と思ってやっていることの多くは、他人にとっては遊びのようなものだから。遊びでない証拠(?)は、映画やドラマを観るにしても、読書にしても、メモをとりながらやってるってこと。いつもメモ用紙に書きこんでますが、すぐなくすので、書いたら文箱のようなものに入れてます。ところが、その文箱がパンパンになってきたので、スキャンしようと思って、スキャナーを買いましたが、スキャンしてる時間がないです。

この間までやっていた翻訳の仕事で、訳しながら図を描いていました。それがないと他の人も原文が何言ってるのかわからないと思ってスキャンしました。それが新しいスキャナーを使った初めての「メモ」でした。なんと、その図は訳書の中に使われるらしいです。すごくないですか? 私の理解が合っていたという証拠ですよ!?

さてさて、今年、何か新しいことをはじめるとしたら? と考えていたのですが、クリスマスプレゼントにポッドキャスター用のマイクをもらったことですし、ポッドキャストしてみよっかな。ユーチューブライブに出たとき、意外に楽しかったし、見てくれた人も面白かったって言ってくれたし。

もちろん、去年はじめたことも続けますよ。著作権切れの作品の翻訳とか、書評講座とか、その他諸々……

できるかなぁ、滑舌が悪くて、要領よくしゃべることができないのに。よくわからないでいたら、「わたしがプロデュースしちゃる!」という猛者が現れました。とりあえず、5回くらいやってみようかな。目標設定はいつも低め、が信条の私です。

でも、もともとブロガーだった人が音声&映像に乗り出した結果、「ブログのほうが隙間時間に読めてよかったのに!!」と思うことは多々あるので、続かないかもしれません。スキャナーと同じで、このプロ用マイクもインテリアと化す可能性は高いです。

謹賀新年

大晦日、京都にある仏教一派の総本山からの除夜の鐘ライブをBGMにしていました。クリスマスのごたごたから解放され、心が洗われました。雪がちらついて寒そうだったので、画面越しに見るほうが楽だし。トロントはなぜか暖かく、雪も積もっていなかったし、大変に霧深い夜で、花火が全然見えませんでした。

新年、我々はシャンパンで乾杯し、ベランダに出て、他のビルの住人たちとベランダ越しに「ハッピー・ニュー・イヤー!」と叫び合いました。すると誰かが「オミクロン・フォー・ユー!」と叫び、それをきっかけに、あちこちから「オミクロ~ン!」と狼のように連呼が始まりました。みんな、頭がどうかしちゃったのでしょう。私たちも雄叫びに参加しました。

さて昨年、瀬戸内寂聴が亡くなり、なんとなく瀬戸内晴美時代の小説が読みたいなと思って『女優』を買いました。1978年初版。文庫本のフォントサイズがめちゃくちゃ小さい。ペラペラとページをめくっていたら、婚活カードが出てきました。平成2年。

こんな個人情報をはがきに記入して投函し、さらに、これをデータ入力する人がいたというわけですよね。

隔世の感を禁じえません……

今年やりたいことは、日本に里帰りして、注文してあったおしゃれウィッグを引き取りに行くことです。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2021年も終わり……

今年も近辺以外はどこにも行けなかった。楽しみにしていたニューヨーク行きも危ぶまれている。

2021年は盛りだくさんだったけど、すべてが仕事がらみだったような気がしてならないのが、残念といえば残念。すごくよかったことは多くの同業者とつながれて、親しくなったこと。

1)YAの勉強会に入れてもらった。自分はYAが結構好きなんだということに気づいた。

2)セルフパブリッシング講座をとった。出版社を作るつもりはないけれど、出版業界のいろんなことを学んだ。すごい情報量だったので、自分に関係ないところは忘れてしまうかもしれない。いろんなことを知らなさすぎて、バカ丸出しで講座を受けたけれど、講師に手取り足取りでいろんなことを教えてもらった。

3)翻訳者向け書評講座をやった。こちらは、講座直後に炎上事件が起きたので、いろんな意味で心に深く刻まれた。この機会に同業者たちと親しくなれたのもうれしかった。書評というものは何なのかを深く考えさせられた講座だった。受講者の間で盛り上がって、有志が書き直したものをここに載せてる。

4)クラブハウスで同業者と頻繁に話した。私はそれまで一匹狼的にひとりで黙々と仕事をしていたので、他の翻訳者とこれほど密に情報交換ができたのは、本当にありがたかった。毎回情報交換をしているわけではなく、無駄話をすることも多いけど、それも楽しい。

5)同人誌『クリスマスの伝言』を作って出した。イラストレーターの友人にはこれがきっかけで仕事が舞い込んだが、私には…… 来年に期待しよう。同人誌やクラファンという形態で翻訳物を出版している人々に直接体験談を聞けたのはとてもラッキーだった。どの形で出版物を出すにしても、それぞれに違った苦労と喜びがつきもの。同人誌は「著作権切れ作品」を掘り出す作業が意外と楽しい。

6)本は4冊訳したと思う(まだ刊行されていないものもある)。

7)カナダを伝える会を発足させたけど……(目的が明確でないよね。反省)

8)ユーチューブライブに初めてゲスト出演した。恥ずかしかったけど、始まってみれば楽しかった。誘われればまたやってみたい。3人で鼎談がいいなぁ。翻訳について、ためにはならないけど面白い小話(または裏話)をいっぱい集めた披露会とか。

9)友だちとゆるく続けている句会が、リアルには集まれなくなって早や2年。記念に『パンデミッ句』という句集をみんなで作った。

10)デジタルピアノでけっこう遊んだ。しかし一向にうまくはならない。

11)配信を見まくった。そのせいなのか、あんなに大好きだった映画館へ行くのが億劫になった。1回しか映画館に行かなかった(非常に楽しかったけれども)。白黒映画同好会の人々とも2年以上会ってない。みんな大丈夫かしら?と心配になることも時々あるけれど、後期高齢者や健康に問題を抱えている人が多かったので、怖くて連絡できない。白黒映画は後期高齢者と見に行くと楽しいんです。当時のことを昨日のように話してくれるから。

12)今年も、編み物も刺繍もほとんどできなかった。以前、どうやって編み物の時間を捻出していたのだろう?と考えて、ふと思い当たった。今年は配信をメモをとりながら見ていたせいで、お手々が忙しかったのだった!

13)カリフォルニア州からカナダに持ってきた赤いプリウスにさよならした。思い出深い車だった。ディーラーで買った、その足でNHLの試合を見に行った。ディーラーのおじさんが「新車をいきなりかっとばしたら、あかん! 時速60マイル!」と注意する声を背中で聞きながら、時速80マイルで走った。ギリギリ試合に間に合った。オバマの大統領就任演説を聞いたのも、あの赤いプリウスの中だった。初の黒人の大統領ということよりも、あの若さに感動して、車のなかでうるうるとしたのを思い出す。プリウスを売った中古車屋のお兄さんに「これ、どこへ売るんですか?」と訊いたら、「外国」と言っていた。次は、暖かい国に行ってもらいたい気がした。

14)『白鯨』を読み通したのをきっかけに、鯨好きになった。

15)去年よりツイッターを使うことが増えたけど、それは良し悪し両方あるな。

クリスマスはゆっくりしたけど、年末年始は仕事。暖かくなったら、どこかにパァっと行けるようにしたい。

来年は、そーねー、持ち込みを成功させてみたい。今年はそのやり方をいろいろ学んだ一年だったので、それを活かして。

翻訳者向け書評講座、第1回終了

翻訳者向け書評講座、第一回目が盛況のうちに終わりました。講座とアフタートークで6時間越えという、熱気むんむんな一日でした。参加者は約20人。

講師の豊崎由美さんからは、1)『クィーンズ・ギャンビット』、2)『エルサレム』、3)『キャビネット』の3冊を課題書に選んでもらっていました。3冊とも実に興味深い小説で、幾通りにも読みができてしまう。講座が始まる前から、一部の受講者たちが『エルサレム』についてツイッターでつぶやいていると、訳者の木下真穂さんが「受講者たちの書評読みたい!」とツイートしてくれて、ちょっと盛り上がりました。ちなみに、『エルサレム』は書評者泣かせだと思います。

当日は、海外文学の日本市場のことや、書評とは何か、何を書くべきなのか、海外の書評と日本の書評の違いなど、内容の濃い話がバンバンと出てきました。文学や文章を書くことについて、深い話がしたかったわたしたちは、大いに盛り上がりました。

豊崎さんから厳しいフィードバックをもらうこともあれば、「磨けば光るのではないか?」の個性も指摘してもらったりしました。合評のときは、文学好きの受講者のみなさんから、するどい意見や質問をもらって、深い読みの読書会のようでもありました。

これだけ人数がいれば、総じて全員がよいと評価する書評が当然あるのですが、一方で、同じ書評でも意見がきっぱり分かれるものが出てきます。「これってどうなんだろう」と疑問に思わせるところがあるのに、実は誰にもまねできない「切り口」みたいなものがあって、それが合評の時に浮かび上がってきます。

20人も集まれば、意見が衝突したり、批判をうまく受け止められない場合も出てくるのではないかと心配したこともあったのですが、そんなことは一切なく、とても建設的で、何より楽しかったです。 

「二回目どうする?」という話になり、「やりたい」という意見が多勢を占めたので、第二回を検討しています。

自分で言うのもなんですが、あんなに濃い学びの場を体験できるのは稀だったと思います。講師と受講者の間の垣根が非常に低く、自由に質問し、話し合えたのが、すごくうれしかったです。

今回も、私の書評は中の下で冴えず、「冒頭で言い出したことを最後に回収していない」と指摘されました。心当たりのあるお言葉だったので、ぎくりとしました。書き直してみよう。どうやって回収しようかな……

ちなみに「どうして書評?」とよく訊かれます。翻訳者なので、訳書を読みたいと思ってくれる人が増えたほうがありがたい、ってことでしょうか。でも、それより、なんか楽しいんですよね。あの講座を受けた人にしかわからないとは思うんですが。一種の句会? 17文字じゃなくて、800文字ですけど。

書評に興味のある方、第1回目を受講できなかったけれど、2回目を切望している方は、こちらをまずは読まれたし!