この間受けた講座は、豊崎由美さん自身が「句会をイメージした書評講座」と言っているように、プレバトで夏井いつきさんに俳句をこき下ろされるのと同じ感じでした。そのことを友人に話したら「(私は)相当なM」と言われたのですが、心当たりはありますな。
もう少し書評の書き方を掘り下げて勉強してみようと思い、『ニッポンの書評』を読みました。講座で教わったことを思い出せる内容だし、他の書評家についても触れられているので、次はその人たちの著書を読むのもいいかも。「書評って何?」という定義からして様々な考え方があって、まるで翻訳みたいなんです、文筆業の中の位置付けが。
何百ページを費やして書かれたものをぎゅぎゅっと1,000文字くらいに圧縮するには、その書物が読めていないとできないし、読み方にも工夫がいる。圧縮するときの情報の取捨選択も重要。講座を1回とっただけでは、ざるで水をすくうようなものなので、何かしらの形でスキルを磨こうと考えています。
今さら何言ってんだ?という話なのですが、早速、学んだことを生かす案件もあって、あの講座とってよかった、と心から思いました。読んで考え、過去の知識を整理整頓して、まとめて、なおかつ書き手である「わたし」にしか書けない文章を作るって難しい。でもですね、私が参加している句会では、みんな狙っているわけではないのに、誰が詠んだ句なのかが歴然としているので、自分らしさというのは案外素直ににじみ出てくるのかもしれません。