地図問題

ある文書にカナダの地図を入れようとしました。スペースに限りがあるので、カナダだけの輪郭の地図を入れてみました。ところが、下の図を見てもらえばわかるように、「ナニコレ?」なんですね。カナダは下(南)にアメリカがあってこそ「ああ、カナダね」と認識される、新しい発見です。

Outlined Canada

でもこれはカナダ特有の問題ではありません。アメリカも同じ。アラスカ州が飛び地であることは、カナダなしでは説明できません。それなのに、大統領選の開票速報などで見せる地図では、アラスカはハワイ同様、「島」扱い(飛び地を「陸の孤島」なんて言いますしね)。四角い画面に妙な空白を残さずアメリカ全土を有効に映し出すための苦肉の策なのでしょうが、もしかすると、アラスカをベーリング海に浮かぶ島だと思っている人もいるかもしれません。

他にも「単独で見せられても、何の国かわからない」ところはいっぱいあります。イギリスとイタリアを除くヨーロッパ諸国、スカンジナビア諸国、アフリカや南米の国々は軒並みそうです。台湾も。輪郭だけの地図を見せられても、「これ、台湾ですよね」と言える自信は私にはありません。左手に中国大陸がドカーンとあって、アモイが対岸にある、などの周辺情報が与えられてはじめて、正解が出せる感じでしょうか。

逆に、単独で輪郭だけ見せられても、それとわかるイギリスとイタリア(日本やインドもこの仲間に入ると思う)にも問題がありそうです。イギリスの場合は北アイルランドですね。ブリテン諸島を輪郭だけで見せられた場合、なんとなくですが、うっかりスコットランド北部を指さして「ここでしょ?北アイルランドは」と言う人もいるのではないでしょうか。イタリアの場合は、あの長靴の形が独り歩きしていて、周辺にどんな国があるのかわかりにくい。

話はカナダに戻りますが、カナダおけるトロントの異質さは、この街にカナダの人口が集中していて、実はシカゴと同規模の街であるということのほかに、トロントのある辺りの土地がアメリカの国土に食い込むように、矢印状に伸びていることでもわかります。英米戦争の流れが変わっていたら、トロントはアメリカに併合されていたでしょう。今後、アメリカと友好関係を続けられるかどうかもわかったもんではないですし、この矢印みたいな形がいかにも「アメリカに入りたい」と言っているような気がしませんか。

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