
トロントの東に「ギルドパーク」という、取り壊された古い建物のかけらを集めた公園があります。トロントは、ヨーロッパの街に比べれば、(ヨーロッパ的な)歴史は浅いし、割とあっさりと古い建物を壊してしまうことも多い…… この街に引越したばかりの頃は、古いものを残したいと考える建築家や写真家が案内する散歩ツアーに参加したり、彼らのブログをよく読んでいました。
いやぁ、この公園はなかなかよかった。いちおう、歴史的な建造物を残しておこうという気があるから、こういう公園が成立しているのだと思いますが、ゴロゴロと置いてあるだけで、低い「かけら」ならベンチがわりに座ってもよい、というおおらかさ。
「そうね、これは残したくなるよね」というものもあれば、「これ?」と思うものも並べてあります。

これは Bank of Toronto という昔あった銀行の建物の外壁。左が先住民、右がブリタニア。真ん中は、てっぺんにビーバー、左上がイギリスを象徴するライオン、右上にまたビーバー、左下は麦穂、右下が貿易船。穀物を自由貿易して、イギリスからの経済的独立を目指しますよ、という決意のあらわれ?? ちなみに、Bank of Toronto は合併により、今は TD になっています。

こちらは、インスリンを発見して、ノーベル生理学・医学賞をとったバンティング博士の自宅にあったマントルピース。マントルピースだけなの!? という不思議な光景。
もっと大きな、ギリシャ神殿をまねたようなものもあるのですが、そこはウェディングの撮影に使われていたので、近寄れませんでした。雪が積もった日にまた行きたい。