PODCAST EP10

エピソード10をお届け。

1)もっちりんださんとのおしゃべり第3弾! 前回『ハンドメイズ・テイル』を語りつくしたあとの、トム・クルーズ談義(正確には彼が出演している映画について)。

2)収録後、『Eyes Wide Shut』を見ました。今見ると、ものすごい白人社会のお話ですね。ニコール・キッドマンが着用している下着(ハイレグのパンティー)に時代を感じました。

3)もっちさんとのおしゃべりは、今回はこれでおしまい。とても楽しかったので、さみしいです。もっちさん、また遊びに来てくださいね!

4)ずいぶん前に姉御と鑑賞した、田中絹代監督の『月は上りぬ』について話してます。たぶん、この映画を観たことがあるって人は少ないとは思いますが、小津安二郎っぽい映画で、おススメです。笠智衆も出てきます。

4)このポッドキャストはシーズンごとに区切ることにしていて、シーズン1はあと残すところ2回になりました。次のシーズンまでに充電します!

Spotify だけでなく、アップルポッドキャスト、グーグルポッドキャストでも聞けます。「きょうこりんと姉御」で検索してみてね。

読書会6 – 喜べ、幸いなる魂よ

今回もYAを離れ、佐藤亜紀の『喜べ、幸いなる魂よ』を読んだ。非常に面白く、読書会で語り合い甲斐のある作品だった。

川本直がすごい書評を書いているから、詳しくはそれを読んでいただくとして。

川本さんはヤネケをすごく肯定してる。その理由にはもちろん100%同意するけど、読書会では少し違った。「ヤネケは超人的な能力を発揮し、他人にはまねのできない博愛もあるけれど、他人の心を思いやることができないないから、もしかするとその背景には??」と、ここにははっきりと書けない疑惑が浮上。

ヤネケは知的能力に優れた女性の理想郷にいる。そのヤネケが確率論について本を書く。確率論上、ばらつきがあっても、長い時間を経て、ある平均に収束する。でもその「ばらつき」こそが変化をもたらす。この論理は男女にも当てはめられている。ヤネケは「とんでもなくばらついている個体」。

そこに宗教がからめられ、オスのいない世界としてベギン会が描かれている。ベギン会とは、修道女ほど俗世と断絶していなくて、俗世にもそこそこにつながりつつ、神に仕え、宗教的な生活を営む女性たちの共同社会のこと。そして、ヤネケの実家である商家が「娑婆組」として、普通に結婚や出産を繰り返して種を絶やさずに存在し、その周縁に同性愛者(この小説では、男が男を好む人々が何人か登場)がいる。メスしかいない世界の対極には、男だけの世界がある。

読書会では、この中間にいる人物たちについても、時間をとって話した。誰に一番共感できるとか、共感しないけど、理解ができるとか。読書会で言うのを忘れたけど、私は個人的にベギン会が女子大みたいだと思った(女子大出身なので)。

読書会のメンバーは全員翻訳をやっているので、『喜べ、幸いなる魂よ』の会話、特にヤネケとヤンの口調が現代的で、ずーっと年をとっても同じ口調で話していることにも言及。翻訳者は小説家とは違うから、「原書」をリスペクトすることがとても大切。でもそれは訳すときの制約にもなる。この小説は舞台が海外で、限りなく翻訳文学に近いけど、佐藤亜紀が書いたものだから全然違う。それはヤネケの口調に端的に現れている。たとえ翻訳者が相当な勇気を出してああいう会話文を作り上げても、編集の段階で揉めると思う。小説の場合でも、揉めるのだろうか??

この小説はとにかく面白かった。絶対に読書会向き。みんなと話して倍以上楽しめた。

似たような作品で、大島真寿美の『ピエタ』も名前が挙がったので、読んでみようかな。

Wild Babies

猫話です。最近、『Wild Babies』を流し見ておりました。そしたら、なんと、うちの猫がめちゃくちゃビビりながら画面を見ているのです。なんでだろ?と考えてみると、『Wild Babies』は動物版の『はじめてのおつかい(Old Enough)』なのでした。と言っても、おつかいに行かされるわけではなく、「お留守番」をさせられるのですね。

しかし、そこは野生動物。お母さんが獲物を探しに出かけている間に、赤ちゃんを狙って敵が来襲するのです。こえぇぇぇ! 命がけの留守番です。うちの猫が真剣に見ているのも納得……

猫に人間のナレーションはわからないですが、赤ちゃんアニマルの阿鼻叫喚が本能的に理解できるのでしょう。

おたくの猫にも試してみてください。

動物がらみで、もうひとつ。

私の最近のBGM動画はアラスカ州の熊たちが鮭をむしゃむしゃ食べるライブ映像です。あまりの熊の多さに驚愕。この熊たちはコロコロしていなくて、強靭な体つきで、超怖そうです。

PODCAST EP9

エピソード9をお届け。

1)もっちりんださんとのおしゃべり第2弾!『ジョー・ベル 〜心の旅〜』(原題『Joe Bell』)、『ある少年の告白』(原題『Boy Erased』)、そして『ハンドメイズ・テイル』を語りつくします。

2)リスナーさんから、「ルー・リードもコンバージョン・セラピー受けてたよ」と声をいただきました。そのときの体験を歌にしたのがこちらだということで、貼っておきます。

3)今回、言いそびれましたが、私が『ハンドメイズ・テイル』でいちばん気になるキャラは「リディア小母」と、海賊みたいに片目にパッチをしている「ジャニーン」です。「リディア小母」には、まさかの過去があって……。きちんと誠実に、他人に迷惑をかけずに生きていると自負するリディアは、人生のちょっとした歯車の狂いが許せなかったのですね。「ジャニーン」は危なっかしいのですが、いちばん人間的なのではないかと、私がいちばん共感できるキャラです。リスナーのみなさん、『ハンドメイズ・テイル』について一言いいたい!って方はメッセージください。

4)もっちさんとのおしゃべりは次回も続きます。お楽しみに!

Spotify だけでなく、アップルポッドキャスト、グーグルポッドキャストでも聞けます。「きょうこりんと姉御」で検索してみてね。

読書会5 – 雨の島

今回はYAを離れ、大人の小説。台湾の有名な作家、呉明益の『雨の島』を読んだ。

台湾は何回か行ったことがあるぞ! と本を開いてみると、私は台湾のことなんて、これっぽっちも知らないことに気づかされた。私は「台湾=台北」のイメージしか持っていなかった。登場人物も台湾の原住民族。そういえば、昔台湾で仕事をしていた妹が、「台南のほうは全然ちがうよ」と言っていた、と今頃思い出した。

『雨の島』は近未来の話なのに、どこか懐かしい気持ちになる。思わずエドワード・ヤンの映画が目に浮かぶ。わかりますかね、このたとえ……

台湾に生えている植物や鳥の名前など、知らない固有名詞が次々と出てくる、細かい自然描写。そして、その自然がSFとうまくマッチしている不思議さ。現実と幻想の世界を行ったり来たりしても違和感を感じない。それに、登場人物には外国とのつながりがあることが多く、小さな島国の話なのに、空間が広がってるみたいにも感じる。

6つ収録されている短編のなかでは、2番目の短編がいちばん好きだった。読書会のみんなも、これが好きだと言っていた。いちばんわかりやすい、ってのもある。

気になったのは、アンドロイドクロマグロ。これについては、いろいろと話すことが多く、環境問題、AIの将来へと話は広がり、呉明益のわなに完全にはまっている気がした。アンドロイドクロマグロの短編は、ちょっと『白鯨』っぽい雰囲気もあって、こちらも好きだな。

呉明益の作品は、いっぱい積読しているから、この夏にいろいろと読もう!