読書会4 – 秘密の花園&私のこまどり

今回はバーネットの『秘密の花園』+『私のこまどり』が課題書。Kindle Unlimitedで光文社古典新訳文庫の土屋京子さんの新訳を読みました。

少年ディコンたちが話す「ヨークシャー訛り」の翻訳が、地方に暮らす人々への敬意にあふれていると意見が一致。こういうのって、新訳を読むときの醍醐味です。土屋さんは中部地方の出身なので、私は「名古屋弁がベースになっているのでは?」と思いましたが、読者によってどこの方言を思い起こすかは違うみたい。

今、『秘密の花園』のような、植民地主義時代が背景になっている作品を読むと、貴族の「常識」にびっくりさせられます。そういう過去は、なるべく打ち消さずに、「解説」や「あとがき」で現代の批評家が説明すればよいと私は思う派です。光文社の古典新訳は、解説やあとがきがすばらしいと思います。

文庫解説については、斎藤美奈子の『文庫解説ワンダーランド』を読むと、解説者の腕の見せ所がとてもよくわかります。おすすめです。

私はディコンの動物と話せる能力、自然からいろいろなことを読み取れる能力に関心を持ちました。彼が牧童だからなだけではなくて、魔力のようなものを秘めていると思い、ちょっと聖フランシスコを思い出しました(動物の守護神なので、よく絵画などで動物たちを引き連れている)。ツイッターのスペースでこれについて話していたら、リスナーさんに、「むしろムツゴロウさんを思い出す」と言われました。

西洋と東洋では動物に対する考え方が違いますよね。あらゆるものに霊が宿ると考える東洋では、自分も動物と同じになって相手をベロベロなめるムツゴロウがいて、西洋だと動物を守ってあげる聖人がいる、という違いかも?と読書会のメンバーに教えてもらいました。黒柳徹子が「私は動物と話せる」とよく発言していますが、あれも東洋的なアニミズムのあらわれなのかも。

『私のこまどり』はアマゾンでダウンロードできるものを読みました。なぜバーネットが『秘密の花園』を書くことになったのか、創作秘話的な短い読者への手紙です。同人誌『ほんやく日和』Vol.3に入っている訳を読みたかったのですが、郵便事情のせいでまだ手元に届いてません。残念。

総じて、バーネットはイギリス人なのに、イギリス的なお話をアメリカ人に読ませてヒットさせているところが商売上手という結論にいたりました。

6歳の姪っ子にも『秘密の花園』を送って、読んでもらいました。一日で読んだって!すごい集中力。

次は、YAを離れて、台湾の『雨の島』を読みます。

PODCAST EP6

エピソード6をお届け。

1)EP5でイーロン・マスクについて話したので、姉御がスポティファイに「あなたはイーロン・マスクが好きですか?」のアンケートを付け足しましたが、反応が激うす! 今回もアンカーから聞いている人にはアンケート付けてます。

2)姉御は今の北欧情勢に絡め、青池保子の『エロイカより愛をこめて』を語る。主人公がNATOのスパイ。

3)きょうこりん、5月初めに英語圏で刊行された『After Steve』を語る。アップル社のティム・クックvsジョニー・アイブについてのお話。収録の間、「アイブス」って言ってますが、「アイブ」の間違い。「ジョブズ」に引きずられてつい「アイブス」って言ってしまう!

4)おひとり様好きだけど、何だったら、おひとり様でも平気か?

5)小籠包について

についてしゃべってます。 

Spotify だけでなく、アップルポッドキャスト、グーグルポッドキャストでも聞けます。「きょうこりんと姉御」で検索してみてね。

夢記録2

気になる夢を見たから書いておこう。

入江のようだけど入江でもない、河口のようで河口もでもない、円形の砂地が低い山で囲まれたところで、わたしは何人かの友だちと遊んでいた。わたしだけ、柄の長い斧を背中に縛りつけている。斧の歯の部分はかなり小ぶり。

すると、どこからともなく水が満ちてきて、水たまりのようになったかと思うと、膝までの冠水。あっという間に、足もつかないくらいの深さになり、わたしたちは泳いで山か岩にたどり着こうとした。

水の流れも速く、友だちに「斧なんか背負ってたら、溺れるよ!」と注意されたのだが、泳ぎながら斧を縛りつけているひもをほどくという難易度の高いことができない。

「いい! このままで泳ぐから!」

と言って、がむしゃらに泳ぐけれど、全然前に進んでいない。

そこで目が覚めた。

なぜわたしは斧を背負っていたのか…… わたしも一緒にいた友だちも、そのことを疑問視していなかったから。

夢を思い出しながら書いていて、ふと気づいたけど、夢の中のわたしは妙に若かった。10代だったかもしれない。贅肉のかけらもなく、しゅっとした体をしていた。というか、夢の中でわたしはいつも実年齢より若い。なぜなんだろう。

PODCAST EP5

エピソード5をお届け。

1)リスナーからの声

2)姉御は今週 Hotdoc で忙しい

3)姉御のおすすめ映画『噂の二人』(1961年)(英語は『The Children’s Hour』)オードリー・ヘップバーンがまさかこんな社会派な映画に出ていたとは!? シャーリー・マクレーンがキュート! 内容は、1930年代のアメリカの LGBTQ のお話。カナダにお住いの人は、Kanopyで無料で見ることができますよ。

4)きょうこりんのおすすめ小説『ハムネット』。視点が変われば、伝える「物語」もガラッと変わる!

5)先週に引き続き、「ダメ男」ネタからのイーロン・マスクについてどう思うか

についてしゃべってます。 

とりあえずエピソード5まで達成できたので、これからは隔週くらいのペースで配信します。

Spotify だけでなく、アップルポッドキャスト、グーグルポッドキャストでも聞けます。「きょうこりんと姉御」で検索してみてね。

第二回翻訳者のための書評講座、終了

4月16日、今回も豊崎由美さんを講師にお迎えし、書評講座を開きました。1回目は6時間かかったので、時短を目指して工夫したにもかかわらず、講座と懇親会で、アツい5時間半を過ごしました。講座自体は3時間で終わったのですが。

課題書は次の2冊でした:

ルシア・ベルリン、岸本佐知子訳、「掃除婦のための手引き書」(講談社

マギー・オファーレル、小竹由美子訳、「ハムネット」(新潮社)

「書評を書く上で、この2冊には共通点があるけど、わかる人?」という質問に、早速たじたじ。でもそこから、前回同様、合評が活発に行われました。課題をこなしている間は、大変!と思うことも多いのですが、実りも多い。「講義だけでは、身につかない……」と感じている人にはお勧めです。第3回もやる予定です。

前回同様、note に講評後に書き直した書評を徐々に載せていきます(強制ではないので、書きたい人だけですが)。

「翻訳者のための」と謳っているのですが、ライター業などの兼業の人も多く、その辺の比重は問いません。翻訳歴も分野も問いません。目標は海外文学の書評を書くことなのですから。

個人的には、第1回目で知り合った人たちの普段の文筆活動に触れ、読書がより楽しくなったことがうれしいです。私は英日翻訳者なので、英語以外の訳者さんたち、あるいは、ライター業に重心を置いている人たちと出会えたことが宝。2回目の人は、自分に目標を課し、挑戦して書評を書いた人が多かったので、そのチャレンジ精神にも脱帽しました。なんかやる気が湧いてくるんですよね、この講座を受けたあとって。

今まで、「翻訳者向け書評講座」と言っていましたが、なんか響きがいまいちと後悔していたので、「翻訳者のための書評講座」と呼ぶことにします。ツイッターのハッシュタグも変えていこうかな。