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The Penny Dropped

この動画を作るのに、1セント硬貨(= a penny)を探し回りました。今はもう使われていないのです。そんな貴重な硬貨なのに、うまく画面に収まるように転がすのが大変で、この白い家具の後ろにいっぱい落としてしまいました。

ところで最近、腑に落ちることがありました。

私は英語から日本語に訳すのが専門で、カタカナを使うと「カタカナじゃなくて、日本語らしく訳してもらえますか?」と編集担当の人に指摘されることがあります。翻訳するときに下調べもするし、勉強もします。なので、「え? これは日本で一般的に使われているカタカナ語ではないの?」と疑問に思うのですが、工夫すれば言い換えられるので訳文を作り直します。でも、和書やインターネットにある日本語記事や日本人同士の討論には、当たり前のように、そのカタカナ語が使われている……

そこで日本にいる友人たちに尋ねてみると、日本人の識者たちによる討論会などはカタカナ語が多用されていて、内容がよくわからない、ようです。あと、ついうっかりカタカナ語を使ってしまい、「意味がよくわかりません」と指摘を受けることも……。カタカナ語は内輪では通じるけれど、その外にいる人にはわからないか、わかりにくいのでしょう。やっぱり、私の訳文への編集者の指摘は的確だったのです。

それと同時に、「翻訳書」へのアレルギーが一定の読者にはあるのかもしれません。外国の知識、外国人の論調、外国かぶれしている翻訳者に対して、懐疑的な目で見てしまう…… だから、カタカナが多すぎると嫌がられるのかもしれません。

この間見たインターネットの討論で、日本人に交じって、大変日本語が流暢なイギリス人が、その場の誰よりもカタカナ語を使わずにしゃべっていました。私には、このイギリス人の気持ちがよくわかる気がします。

とにかく、周囲の意見を聞いて、「腑に落ちた」のです。ヨカッタ、ヨカッタ。

三島由紀夫の本と『むずかしい年ごろ』

巣ごもり中に、三島由紀夫の本をとりあえず4冊読みました。『潮騒』と戯曲を除き、ナルシストの三島由紀夫が書いたナルシストな小説は、巣ごもり中にはキツかったです。「そんなこと、どうでもええやろ!」とページを飛ばしてしまいたくなるのです。昔読んだときはそうは思わず、むしろ感化されていたので、「読みごろ」ではなかったのかも。『潮騒』にある三島由紀夫の海の描写がすばらしく、何回読んでも飽きない。あの海を知っているからかも。

面白かったのは、このロシアの小説。『むずかしい年ごろ』というタイトルがもうすばらしく(「むずかしい」が平仮名にしてあるところとか)、遠方の友人がこの本をブックインスタしていたのを見て、私も買ってしまったというわけです。

アンナ・スタロビネツはロシアでは有名なホラー作家らしいです。私はモスクワの空港にしか行ったことないくせに、「ロシアっぽい!」と感動してしまいました。「怖さ」は、そーですねー、乱暴にたとえるなら、ネットフリックスの『Black Mirror』っぽい怖さですかね。虫も出てくるし。虫が苦手な人は、一番最初の話は読まないほうがいいです。私は髪を掻きむしりながら読みましたから。

一番気に入ったのは、「家族」っていう話。頭が半分にスパッと切れているおじさんが出てきて(頭がお椀の形になっている)、頭の中から、「紫色のマスカット」や「ニンニク添えのチキン」を出すのです。こういう話大好き。

紙の本を買ったので、読みたい人には貸せますよ。

There is no point in it now

There is no point in it now

先週、『五時に夢中』を見ていたら、美保純が犬と猫のしゃべるぬいぐるみを持って出ていました。しかも人形劇の動画を作っている、と言っていたので、私は驚きました。

ちなみに、彼女のぬいぐるみは別メーカーのものでした。人形劇というのも、どうやら本格的な人形劇のようです。

コロナ禍をきっかけに作り始めたこの動画ももう2カ月続いてます。動画だけじゃ面白くないかな?と文章を添えて出してみたり…… 試行錯誤しています。

ジャスティン・ビーバーのいるところ

巣ごもり生活をしている間、週1のペースでトロント郊外の田舎をドライブしています。途中、郊外ならではの大型ドライブスルーのあるファストフード店でハンバーガーセットを買い、誰もいない駐車場に車を停めて車の中で食べ、美しい湖を見ては、トイレに行きたくなる前に帰ってくる…… そんなルーティーンです。規制が少しずつ解除されているので、最近は車を出て散歩したりなど、こちらの行動も変わってきましたが。

この間、ジャスティン・ビーバーが巣ごもりしていた本人所有の別荘がある湖に行きました。トロントからそう遠くはないところにあります。具体的にどこにあるかは検索すればすぐにわかるので興味のある人は探してみてね。

カナダ基準で言えば、その湖は大きくはない。この程度の湖だと湖畔の土地は個人所有がほとんどになるのかもしれません(湖が大きいと環境保護にもうるさいし、誰でもアクセスできるように公共ビーチや公園、遊歩道がある)。そんなわけで、この湖は私有地に囲まれ、なかなか水際に出られず、やっと見つけた岸辺から、湖と対岸の景色を堪能しました。こんもりとした森のなかに富裕層の別荘が見え隠れ。ジャスティン・ビーバーの豪邸は、私の位置からは豆粒にしか見えませんでした(写真に写っている)。しかも、水際に建っていないので、カヌーを漕いで近づくというオプションもありません。だからあの場所を選んだのでしょうか。「ああ、あれかぁ」と見つけただけで満足して帰ってきました。

Fair-skinned

英語で白人を指す単語は「White」ですが、肌の色を「色白ですね」と言いたい場合には、「fair-skinned」がぴったりです。

私は、巣ごもり生活中、ネットフリックスからお勧めされるまま、アメリカの犯罪史を飾る国内テロや犯罪の映画やドラマ、ドキュメンタリーを見ていました。テッド・バンティ、ブランチ・デヴィディアン、アトランタオリンピック爆弾テロ、オクラホマ爆弾テロ、ユナボマー、ジェフリー・エプスタインと、犯人はすべて白人男性。そして、みんななかなか逮捕されない。Black Lives Matter を鑑みると、こういう事件の犯人は怪しいというだけで警官に殺されることがないうえ、犯罪の規模も大きいので、複雑な気持ちになります。しかもジェフリー・エプスタインのドキュメンタリーは、経済格差が司法にもおよぶことを決定的に見せつけます。というか、アメリカの超富裕層の金持ちぶりを映像でまざまざと見せつけられます。

Black Lives Matter のデモが全米で広がり、今や周縁が過敏になりすぎて、いろいろな人がいろんなことを言いだしています。『風と共に去りぬ』がストリーミングで配信されなくなったり、90年代の代表ドラマ『フレンズ』のクリエイターが「白人ばっかりのキャストだったよね、ごめん」と謝罪したあたりから、#MeTooで食傷気味なっていた頃を思い出すような状態に私は陥っています。あの頃は、オール白人、オール黒人、オールアジア人のキャストが当たり前の時代だったのですから、もういいじゃないですか。そんなこと言ったら、『セックスアンドシティ』なんて…….

そうは言っても、大規模な抗議運動っていうのは同じスローガンを掲げていても多様な意見を内包するものだし、いつもこんなふうに闘いながら現実的な解を求めようとするアメリカは好きです。