The Staircase

今ネットフリックスで配信されている『The Staircase』が、HBO MAXで新たにドラマ化されるらしい。キャストが豪華なのでこちらでは比較的大きな芸能ニュースになっています。

小説家マイケル・ピーターソンの妻が階段から転げ落ちたかのように死んでいた。事故なのか、それとも他殺なのか。やがて裁判が始まり、マイケルの有罪が確定する。ところがいろいろなことが発覚し、再審を求めるが…… というあらすじ。

結局のところ「真実」はわからない。もしかしたらマイケルは無罪だったのかもしれないし、二重人格的な「心の闇」を抱えている人なのかもしれない。いずれにしても、彼はお金のある白人男性で、自分の財産をつぎ込んでどこまでも戦う姿勢を見せます。視聴者はあの「O.J.シンプソンの裁判」なみのすごさを体験すると同時に、警察への不信感も募らせてしまいます。

そういうドラマチックな部分もすごいのですが、このドキュメンタリーでは、アメリカの司法制度における判決確定後の様々な救済措置や法取引が実に細かく描かれているのです。聞いたこともない法律用語がでてくるし、有罪を言い渡された人がどのタイミングでどういう手を打つことができるのかを学ぶことができます。でもやっぱり、お金がないと判決を覆すのは難しい。

アメリカは陪審員制度を採用しているので、評決の際には陪審員全員の意見が一致しなければなりません。どういう証拠が陪審員の意見を動かすのかも見どころです。

裁判が行なわれたのはアメリカ南部のノースカロライナ州。したがって、南部の訛りのある英語がバンバンでてくるし、2000年代前半当時の南部でのマイノリティに対する差別意識を垣間見ることもできます。でも、製作はフランスのテレビ局なんですよね。

このドキュメンタリーを見て他人の不幸を「消費」してしまった私が言うのもなんですが、遺族の中でも意見はきっぱりわかれていて、有罪か無罪かの瀬戸際に立つ本人よりも、私は遺族が気の毒でなりませんでした。本人が本当に無罪であるなら、いちばんシャレにならないのはマイケル・ピーターソンなんですけどね。

しかし、True Crimeの見すぎです。『Cruella』が公開されたので、まずは101匹わんちゃんの古いアニメや実写版を復習して気分転換中。

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