What Makes You Bring That UP?

コロナの緊急事態宣言が出てから数カ月になります。季節はすでに夏。あちこち遊びに出かけたいところですが、去年と同じようにはいきません。ストレスが溜まって人に八つ当たりしたくなることもしばしば。

「売り言葉 or 買い言葉」のどちらかに仕分けするなら、「What makes you bring that up?」は買い言葉です。「Why do you say that?」も同じ意味です。相手から発せられた売り言葉がオブラートに包まれ、その真意が読めないとき、いえ、悪意がそこはかとなく感じられることだけがわかっているので気になり、「それって、どういう意味?」と訊くのです。訊いたところで相手は「Nothing(何でもない)」と言うだけなので、一枚一枚オブラートを剥がし、あなたにとって不都合な真実に直面すべきなのかどうか、高度な判断が必要になります。 

私が何度も見ている『ダウントン・アビー』や『ザ・クラウン』に出てくる貴族たちは、「Nothing」と返されると、かなりの確率で表面的な口喧嘩をやめます。そのときに彼らが使う魔法の言葉が「Very well(ああ、さようですか。よございますわね)」です。

喧嘩を売るにしても、買うにしても、出来れば賢く選びたいものですが、ストレスが溜まっているときは難しい……

The Penny Dropped

この動画を作るのに、1セント硬貨(= a penny)を探し回りました。今はもう使われていないのです。そんな貴重な硬貨なのに、うまく画面に収まるように転がすのが大変で、この白い家具の後ろにいっぱい落としてしまいました。

ところで最近、腑に落ちることがありました。

私は英語から日本語に訳すのが専門で、カタカナを使うと「カタカナじゃなくて、日本語らしく訳してもらえますか?」と編集担当の人に指摘されることがあります。翻訳するときに下調べもするし、勉強もします。なので、「え? これは日本で一般的に使われているカタカナ語ではないの?」と疑問に思うのですが、工夫すれば言い換えられるので訳文を作り直します。でも、和書やインターネットにある日本語記事や日本人同士の討論には、当たり前のように、そのカタカナ語が使われている……

そこで日本にいる友人たちに尋ねてみると、日本人の識者たちによる討論会などはカタカナ語が多用されていて、内容がよくわからない、ようです。あと、ついうっかりカタカナ語を使ってしまい、「意味がよくわかりません」と指摘を受けることも……。カタカナ語は内輪では通じるけれど、その外にいる人にはわからないか、わかりにくいのでしょう。やっぱり、私の訳文への編集者の指摘は的確だったのです。

それと同時に、「翻訳書」へのアレルギーが一定の読者にはあるのかもしれません。外国の知識、外国人の論調、外国かぶれしている翻訳者に対して、懐疑的な目で見てしまう…… だから、カタカナが多すぎると嫌がられるのかもしれません。

この間見たインターネットの討論で、日本人に交じって、大変日本語が流暢なイギリス人が、その場の誰よりもカタカナ語を使わずにしゃべっていました。私には、このイギリス人の気持ちがよくわかる気がします。

とにかく、周囲の意見を聞いて、「腑に落ちた」のです。ヨカッタ、ヨカッタ。

There is no point in it now

There is no point in it now

先週、『五時に夢中』を見ていたら、美保純が犬と猫のしゃべるぬいぐるみを持って出ていました。しかも人形劇の動画を作っている、と言っていたので、私は驚きました。

ちなみに、彼女のぬいぐるみは別メーカーのものでした。人形劇というのも、どうやら本格的な人形劇のようです。

コロナ禍をきっかけに作り始めたこの動画ももう2カ月続いてます。動画だけじゃ面白くないかな?と文章を添えて出してみたり…… 試行錯誤しています。

Fair-skinned

英語で白人を指す単語は「White」ですが、肌の色を「色白ですね」と言いたい場合には、「fair-skinned」がぴったりです。

私は、巣ごもり生活中、ネットフリックスからお勧めされるまま、アメリカの犯罪史を飾る国内テロや犯罪の映画やドラマ、ドキュメンタリーを見ていました。テッド・バンティ、ブランチ・デヴィディアン、アトランタオリンピック爆弾テロ、オクラホマ爆弾テロ、ユナボマー、ジェフリー・エプスタインと、犯人はすべて白人男性。そして、みんななかなか逮捕されない。Black Lives Matter を鑑みると、こういう事件の犯人は怪しいというだけで警官に殺されることがないうえ、犯罪の規模も大きいので、複雑な気持ちになります。しかもジェフリー・エプスタインのドキュメンタリーは、経済格差が司法にもおよぶことを決定的に見せつけます。というか、アメリカの超富裕層の金持ちぶりを映像でまざまざと見せつけられます。

Black Lives Matter のデモが全米で広がり、今や周縁が過敏になりすぎて、いろいろな人がいろんなことを言いだしています。『風と共に去りぬ』がストリーミングで配信されなくなったり、90年代の代表ドラマ『フレンズ』のクリエイターが「白人ばっかりのキャストだったよね、ごめん」と謝罪したあたりから、#MeTooで食傷気味なっていた頃を思い出すような状態に私は陥っています。あの頃は、オール白人、オール黒人、オールアジア人のキャストが当たり前の時代だったのですから、もういいじゃないですか。そんなこと言ったら、『セックスアンドシティ』なんて…….

そうは言っても、大規模な抗議運動っていうのは同じスローガンを掲げていても多様な意見を内包するものだし、いつもこんなふうに闘いながら現実的な解を求めようとするアメリカは好きです。

Covidiots!

カナダでは新型コロナの新規感染者が減ってきて、少しずつ経済が再開しています。引き続きソーシャルディスタンスを保ち、マスクもしろと、厳しく言われているのですが、気が緩んでいる人は増えています(私も人のことは言えない)。そしてアメリカほどではなさそうですが、あえてマスクもしないし距離も無視する人もいます。

先日、ホームセンターで買い物しようと並んでいると、後ろにいたお姉さんが、マスクをあごにひっかけて携帯電話でしゃべりまくりながら、私との距離を縮めてきました。この3か月間で2メートルの距離感にすっかり慣れてしまった私の頭の中でアラートが鳴りだします。くるっと振り返って、「A bit too close(ちょっと近すぎる)」と言うと、「あ、ごめんごめーん!」と後ろに下がってくれたので、安堵しましたが……。保健省などから出ているガイドラインを失念している人やあえて無視する人々を総じて、英語では「covidiots」または「moronavirus」と呼びます。おそらく、「コロナをうつしてやる!」「コロナなんか気合で吹き飛ばしてやる!」と叫んで外出するような、ある種の悪意を持っている人が「moronavirus」にあたるのかも。第二波がすぐに来なければ、続々とcovidiotsが増えて立場が逆転し、「なんでそんなに間空けてるんだよ!」と言われる日が来るような気がしてなりません。まあ、いつの日かこの転換点がやってくることは喜ばしいことなのですが。

様々なコロナ関連のスラングが生まれていて、とてもおもしろいです。まずは、coronaを略した「rona」。名詞にも動詞にも使えます。動詞としての用法は、「あいつなんかコロナにかかってしまえ!」と呪いをかけたい場合の「I hope he’ll rona out」など。しかし他人の不幸を願う文言なので要注意。独り言か家庭内での発言にとどめておきましょう。

コロナ騒ぎのなかで生まれた赤ちゃんは「corona baby」と呼ばれ、成長すると「quaranteen」と呼び方が変わるそうです。ちなみに、「quarantine」の綴りが難しいので発音が似ている「corn」が使われることもあるようです。ズーム会議中に呼ばれてもないのに参加して荒らしていく行為を「zoom-bombing」と呼びますが、恋人にズーム上で別れを告げる行為は「zump」です(zoom + dump)。そして「covidivorce」。これは日本でも「コロナ離婚」と言われてますね。

とりあえず、ワクチンや薬ができるまでは、注意しなくては。STAY SAFE!